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2022.03.22


【報告】内閣府「子ども・子育て会議(第60回)」提言のご紹介

2/1に開催された内閣府「子ども・子育て会議(第60回)」における、駒崎理事長の提言をご紹介いたします。


◎子どもの預かり人数に応じた職員配置を認める通知を出してください

東京都23区のある自治体では、預かり人数が利用定員に満たない場合でも利用定員に応じた職員配置を求められています。
次月以降に園児が入園する可能性に備えて、常に利用定員に応じた職員を予め配置しておくことを要求されています。

事業者としては、子どもの預かり人数に応じた職員配置は守ります。
しかしながら、次月に備えるために、お預かりしていない子ども人数に対し、職員を配置するのは、ポスト待機児童時代で入所率が減っている中、事業者負担が増し経営を圧迫していきます。

一方で23区の他の自治体では、子どもの預かり人数に応じた職員配置を認めています。自治体によって、対応にばらつきが生じてしまっています。

厚生労働省保育課に問い合わせをしたところ、国では保育所の施設運営基準上、利用定員ではなく、預かり人数に応じた職員配置を求める解釈をしているということでした。

これをうけて、自治体に向けて、子どもの預かり人数に応じた職員配置を認める通知を出してくださいと要望しました。

 

◎東京都の「保育園で学童の預かりができる」制度を国として創ってください

東京都の2022年度予算が1月28日に発表となりました。

「小1の壁」の打破に向けた取り組みについて示した図

認証保育所による学童時の受け入れ

小1の壁を突破するために、空きスペースのある認証保育所において、学齢児を預かれるようにしよう、というものです

今後、待機児童がなくなり、保育園の充足率が下がり続けていきます。令和3年において、全体でも90%に下がり、地域型保育事業の充足率に至っては8割を切ってしまっています。

施設別の定員充足率

こうした状況の中、保育園の空き定員を活用するための多機能化は必須と言えるでしょう。

それを踏まえて、東京都の保育園内学童保育の試みを、国レベルでもできるようにしてください、と提言しました。

 

◎「保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業」の2022年4月以降の賃金改善要件を緩和してください

「保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業」において、2022年4月以降の賃金改善については、勤務当月に支払う賃金での改善が求められています。

しかし、従業員への賃金支払を勤務実績に基づき翌月払いとしている多くの法人においては、4月の賃金支払は3月の勤務実績に基づいて支払われます。
2022年4月賃金支払分(3月の勤務実績分)の改善を行うためには、2021年度内で給与改定等の変更が必要となり、事務手続きが非常に煩雑になります。

2022年4月以降に関しては、対象月に賃金改善をしていれば、支払いタイミングが勤務当月でなくても賃金改善として認める緩和措置をFAQで出してくださいと要望しました。

   (例)・4月勤務の賃金改善分を5月に支払った場合も、4月の賃金改善として認める
      ※翌年3月勤務の賃金は4月に払うが、当期中の人件費に計上する

 

◎認可外保育施設も、多子世帯の保育料負担軽減の対象施設に含めてください

多子世帯への金銭的な負担軽減の推進制度である子ども・子育て支援法施行令の第十三条「複数の負担額算定基準子どもがいる教育・保育給付認定保護者に係る特例」の負担額算定基準の子どもの対象施設は以下と示されており、認可外保育施設は対象外となっています。

  <複数の負担額算定基準子どもがいる教育・保育給付認定保護者に係る特例【抜粋】>

複数の負担額算定基準子どもがいる教育・保育給付認定保護者に係る特例【抜粋】

 一方で、同じく保護者の負担軽減を図る「幼児教育・保育の無償化」の対象施設としては、認可外保育施設も含まれており、3-5歳児クラスは「月額3.7万円まで無償」とされています。

認可外保育施設が、「幼児教育・保育の無償化」対象になっているにも関わらず、多子世帯の保育料負担軽減の対象施設に含まれないのは、保護者の負担軽減を図る制度として一貫性がありません。

香川県高松市では、地域型保育施設と接続している認可外保育施設があり、3歳以降も認可外保育施設に預けたいと希望する保護者もいますが、第2子を認可保育施設に預ける場合、多子世帯の保育料減免対象外となるため、入所に躊躇する事例もありました。

ついては、子ども・子育て支援法施行令の第十三条「複数の負担額算定基準子どもがいる教育・保育給付認定保護者に係る特例」の対象施設に認可外保育施設を加え、第2子以降の保育料減免の対象としてください、と要望しました。


詳細は内閣府ホームページをご覧ください。

子ども・子育て会議(第60回)会議資料はこちら