2020年2月6日
1/31に開催された内閣府「子ども・子育て会議(第51回)」における、小規模保育に関する駒崎理事長の提言をご紹介いたします。
1.保育所で子ども食堂の開催を許可する通知発出を依頼
保育所にはキッチンがあり、子どもにとって安全な環境であるため、地域の孤立しがちな親子に対して子ども食堂を行うのに適しています。
一方で、厚生労働省は現在「厚生労働省所管一般会計補助金等に係る財産処分について」(平成20年4月17日 雇児発第0417001号 厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)を根拠に、施設整備費の国庫補助を受けて建てた保育所の場合、補助目的の達成や補助対象財産の適正な使用という観点から、保育を実施するという目的のために補助金を受けて取得した財産(建物)を使って収益を得ることは不適当だという考えを示しています。
子ども食堂のような福祉的な取り組みは、実費あるいは実費以下の料金によって料理を提供するものであり、上記の通知で想定されている商業性のある用途ではありません。また、保育所は保育とともに、地域の子育て支援を担う施設であることから、子ども食堂のような福祉的な取り組みは目的外使用とは言えないと考えます。
保育所が園児のみを対象とした施設から、地域の様々な親子に寄り添い、伴走できる施設になることを願い、「子ども食堂(あるいは類似した食を通じた子育て支援・コミュニティ活動)を保育所でも行って構わない」「その際に実費を徴収することは認められる」という通知等の発出を厚労省に依頼いたしました。
2.土曜日の閉所日数に応じた減算要件に関する提言
子ども・子育て会議(第51回)配布資料1-2 令和2年度当初予算(案)及び令和元年度補正予算(案)における公定価格の対応について より抜粋
「土曜日に閉所する場所の減算調整の見直し」に関する議論について、小規模保育所では、土曜利用希望を受けた時点で保育士2名、調理1名の職員を配置し、土曜出勤の振替休日を事前に取得するケースがあります。直前のキャンセル等で保育を提供していない場合でも開所する場合があり、それに伴って人件費が発生してしまいます。
特に小規模保育事業の場合、そもそもの土曜利用希望者が少なく、事前に保育の利用希望を受け、職員を配置していたが、直前のキャンセルがあった場合に影響は甚大です。
保育を提供しているかどうかではなく、保育の利用希望の申込があり、保育を提供できる体制をとったかどうかで減算の適用判断をする運用としていただきたいと申し入れました。
3.企業主導型保育園における土曜共同保育の実施に関する通知・FAQの発出を依頼
子ども・子育て支援新制度施行後5年の見直しに係る対応方針について(案)より抜粋
土曜日の保育園の利用園児数は平日に比べ、どの園でも少なくなっている現状があり、これは小規模保育や認可保育所のみならず、企業主導型の保育園でも起こっています。認可保育園や小規模保育園ではすでに共同保育の実施が進められており、保育園に勤務する保育士等のスタッフの働き方改革にも寄与できています。
ある自治体にて、上記の資料(※)を提示した上で、企業主導型保育園における来年度以降の土曜共同保育を実施したい旨を申し出を行ったケースにて、「他の小規模保育事業等との「土曜日の共同保育」については、企業主導型保育園として認められないという考え方で差し支えない(企業主導型同士での場合も、同様となります)」との回答があり、共同保育の実施が難しい状況があります。
企業主導型保育園は、各自治体の基準を満たしてはいませんが、どの園も国の基準を満たしている保育園です。自治体への申請がよりスムーズに進むことが想定されるため、通知やFAQの発出、児童育成協会との認識のすり合わせを依頼いたしました。
4.地域型保育事業 認可件数の公表を依頼
子ども・子育て支援新制度が施行された後、平成27年4月1日、平成28年4月1日と2カ年連続で、厚生労働省は「地域型保育事業の件数について」という調査結果を厚生労働省のホームページで公表していました。
その後、認可件数が公表されていない状況が続いているため、引き続きの調査、集計結果の公表を依頼いたしました。
詳細は内閣府ホームページをご覧ください。
子ども・子育て会議: 子ども・子育て本部 – 内閣府(リンク)
子ども・子育て会議(第51回)会議資料はこちら