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2023.07.19


5歳までの保育を行う「特区小規模保育所」の全国化に向けて、当協議会の理事が視察へ

0~2歳までのお子さんを保育する小規模認可保育所では、3歳になると再度保活をしなければならない「3歳の壁」問題が大きな課題として横たわっていました。

かねてより、全国小規模保育協議会は、子ども・子育て会議等で、大阪府堺市などで導入されている小規模保育の対象を5歳まで広げられるよう「特区小規模保育事業」の全国化に向けて提言を重ねてまいりました。この提言が実を結び、2023年4月、こども家庭庁から小規模保育施設でも5歳児までの預かりを認めると発表されました。

【報告】小規模保育施設でも5歳児までの預かりが可能に!小規模保育の「3歳の壁」問題解消へ

小規模保育事業における3歳以上児の受入れについて(通知)

全国で初めて「特区小規模保育事業」を導入した大阪府堺市へ

今回、全国化へ向けて、先駆けて特区小規模保育事業を行っている大阪府堺市の「スマイル保育園 金岡公園」「きらら幼保育」へ、当協議会の理事・会員が視察させていただいたほか、参議院議員の山本かなえ先生もご参加されました。

こども家庭庁の通知の中でも留意事項とされている集団保育を提供するための配慮や工夫、また運営面からの課題と対応策行政として行っている支援などのお話を伺いました。

0~2歳、3~5歳で縦割り保育をする「スマイル保育園 金岡公園」では、お散歩や近くの公園で運動を増やすなどで身体の成長に合わせた運動を取り入れるほか、近隣の保育園と連携して他の園児と遊ぶことで集団での生活も経験できるようにするなどの工夫がされていました。

「きらら幼保育」は0~2歳が通う小規模保育園に、3~5歳対象の特区小規模保育園が併設されています。このように分けることで受け入れる定員を増やせるだけでなく、年齢に合わせた保育活動を実現しています。

「小規模保育から福祉(ケア)保育」に。小規模保育のこれから

小規模保育園は待機児童問題解決のために生まれ全国で急速に広まり、その解決の一翼を担ってきました。現在、待機児童が解消しつつあるなかで、改めて小規模保育園の存在の意義を考えるフェーズになっています。

定員最大19名とする小規模保育園では、保育士が子ども一人ひとりに寄り添った家庭と近い環境で保育ができるだけではなく、親御さんとも信頼関係を築きながら育児に伴走しやすい特徴があります。

今後はその強みを活かし、障害などで大人数での生活が難しいお子さんを預かり、個性が発揮できる環境での保育や、養育に困りごとを抱えた要支援家庭、外国籍の家庭などに寄り添った育児サポートなど福祉的な要素を備えたや「ケア保育」の実践が可能だと考えています。

 

視察にご協力いただいたスマイル保育園 金岡公園さま、きらら幼保育さま、堺市子育て支援課の皆さま、誠にありがとうございました。

 

今回の堺市特区小規模視察について報告会を、全国小規模保育協議会の会員向けに開催いたします。近日、会員の皆さまへメールにてご案内をさせていただきます。

<堺市特区小規模視察報告会>

■開催日:8月14日(月)13:00-14:00

■場所:オンライン

※アーカイブ配信も行います