こんにちは。東京チャプターの宮村です。
東京チャプターでは、東京都の小規模保育の充実発展をめざし、相互交流、調査研究、研修や、行政への政策提言を行っています。
それぞれが抱えている問題を共有し、解決の糸口を見つけるための場所となるべく、小規模保育園経営者・運営者を対象にした交流会を定期的に開催。全国で小規模保育園を経営するゲストスピーカーをお招きし、各小規模保育園の取り組みや開設秘話をお話いただいています。
今回より4回にわたり、東京チャプターに寄せられた会員園での取り組みを紹介していきます!
第一回は学校法人 正和学園(東京・町田)の取り組みです。
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H30年版「子ども白書」には、自然体験、友だちとの遊び、地域活動の重要性が報告されています。正和学園が大切にしているのはまさに自然体験、遊びを通した学び、地域活動です。子どもたちに自己肯定感を高めてもらうことを大切にし、どのように保育の主語を「子ども自身」にしていくかということを主軸にして、保育を組み立てていきたいと模索しています。
正和学園が運営する小規模保育施設「つながりづくり保育園」は、3つの園がそれぞれ隣接していて、法規上はそれぞれ別の園ですが、3園で1つの園を構成しているような感じです。3園併設は、日本初なのではないかと思っています。名前も分けず、つながりづくり保育園「α」「β」「for STAFF」と名付け、3園とも同じ建物の中に存在しています。
小規模園では、自然の中で1、2歳の子どもたちが、砂だらけ泥だらけで遊んでいます。近隣の公園なども利用し、子どもたちが自分自身で感じる時間を大切に、友だち同士でいろいろな協働をしていくということに重きをおいて取り組んでいます。
近年、送迎専用の保育園を開設しました。プレキンダーと一時保育をくっつけて送迎のみを行う保育園、在園児が0名の保育園ということで、7名からスタートしています。市から受託され、小規模保育の園児が3歳になるときに他の園に連れて行くということでスムーズに持ち上がりができるメリットもあります。
現在は提携している郊外の空きがある保育園12園に、現在30人ぐらいのお子さんを連れて行っていて、事業者さんからもご好評をいただいています。コロナの影響で多少苦戦していますが、申込書はひっきりなしという状況で、保護者が自然豊かなところでの遊びを求めていると肌で感じているところです。
街ぐるみの保育の取り組みとしては、小規模保育の施設をいくつかつくり、コミュニティ化してつないでいく「つながり保育プロジェクト」を行っています。
「各園が単体で閉じないようにしよう」という方針のもと、小規模保育園7カ所と企業主導型保育1箇所を合わせた8カ所を有機的なコミュニティとしてつなぎながらの運営にチャレンジしています。
サービスの受給者と提供者の垣根をなくす試みも行っていて、クラウドファンディングによる寄付を原資として「シェア保育園」を開設、現在は2年目に入ったところです。シェアリングの発想を保育領域に当てはめていくことは時に難しい面もありますが、だいぶ地域に溶け込んできたかなと思っています。「うちの土地も保育園にしてほしい」というようなオファーの声も上がり、まさに地域活動の賜物だなとうれしく思っています。
【園情報】
学校法人 正和学園
https://seiwagakuen.ed.jp/