2014年12月3日
みなさま、こんにちは!
来年度より始まる新制度では小規模保育を始めとする事業所型保育など、地域型保育が公的保険の対象外のまま、とされています。
この事態を何とかしようと、当協議会は三井住友海上火災保険株式会社様と共に小規模保育専用の団体保険を創設しました。
無保険の子どもが生じる社会問題と、国の施策の穴を埋める民間の動きとを、メディアの皆様にはぜひ取材にお越しいただきたく、ぜひともお声がけ下さい!
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日本初!小規模保育向け団体保険 NPOが立ち上げ
~公的保険が対応しない危機を、民間でカバー~
小規模保育事業の運営支援を手がけるNPO法人全国小規模保育協議会(神奈川県横浜市、理事長駒崎弘樹、以下当協議会と表記)は小規模保育専用の団体保険を創設し、2015年2月に募集開始、4月に運用開始とする。
●小規模保育 15年度より認可園へ
低コストで開設できる小規模保育施設は、東京や横浜市など都市部で認可外保育所としてこれまで多く展開してきた。
小規模保育では、1人のスタッフが担当する子どもの数が少ないため、子どもの発達に応じ手厚くケアできる利点がある。
2015年度に始まる「子ども子育て支援新制度」でこれまで認可外の扱いだった小規模保育は「小規模認可保育所」として法的に位置づけられることになった。対象年齢は0~2歳、定員が6人~19人と定められている。
従来の大規模な保育園と違い、待機児童が集中する地域にピンポイントで開設しやすいことから待機児童問題解消の切り札としても見込まれており、その社会的メリットから量的拡充が大いに期待されている。
●制度の不備 子どもが無保険に
このように期待高まる小規模認可保育所であるが、実は公的な保険対象から外れることになっている。
従来の認可保育園は、(独法)日本スポーツ振興センターによる「災害共済給付制度」という、小学校から大学までの教育機関が加入する公的保険の対象とされ、保育中のケガや事故の補償対象となっている。
一方で、小規模認可保育所は同じ認可園でありながらその保険は適用されない。
自治体から認可を受けた保育園が同じ立場で一方では公的な補償がつき、一方では無しという不平等が生まれようとしている。このままでは小規模認可保育所の子ども達は無保険のまま放置されることになってしまう。
国会でもこの件は子どもの平等をおびやかす社会問題として取り上げられたが、事態は好転せず「小規模認可保育所」制度開始時の2015年4月、「災害共済給付制度」は小規模保育認可所を対象外のまま据え置くこととなった。
●公的保険の穴を埋めろ!民間が団体保険を創設
そこで民間が立ち上がった。
子ども達を無保険のまま放置せず、保護者が子どもを安心して保育園に預けられるよう、当協議会と損害保険会社の三井住友海上火災保険株式会社がタッグを組み、小規模保育のための団体保険を創設するに至った。
その名も「小規模保育総合補償制度」。
園児対象の傷害保険と事業者向けの賠償責任保険がセットになった団体保険である。この保険では保育園向けに内容を特化しており、事業者の特性を踏まえて、給食、おやつの提供に起因する事故も補償対象にする等、保育園に起こりやすいケースを想定、設計している。
現在、小規模保育専用の保険は民間ベースのこの補償制度のみである。
●補償制度 全ての子どもに 国は早急に法整備を
本来あるべき国の施策の穴を埋めるセーフティネットとしてこの団体保険は創設された。
とはいえ適用される保険が預け先に左右されるという新制度のあり方は決して正しいとは言えない。
今後の課題は、小規模認可保育所の子ども達も「災害共済給付制度」の対象に組み入れられるよう、国が早急に法整備を行うことである。
無保険の子どもが生じる新制度の不備を解消し、補償という基本的福祉が平等に展開されるよう一日も早い対応を強く望む。