2017年11月1日
10月29日、保育ソーシャルワーク研修会「~保育ソーシャルワークがなぜ必要なのか~」を開催、台風が近づく中、約50名の方に参加頂きました。
保育の質の更なる向上を目指し、日々の保育運営に励んでいる、
でも、
どんなに保育園で良い環境を提供できても、家庭で困難を抱えていたら…
そんな危機感から、小規模保育所等を経営する経営者、園長、保育スタッフ、など、多くの保育関係者が参加してくださいました。
「児童相談所の役割は、あくまで要支援家庭、つまり、トラブルが起きてしまってからの介入」
「それ以外の予備軍の早期支援や予防こそが重要であり、それは市区町村の役割となっている」
「そして、それを担うプレーヤーの1つとして、保育園の役割は大きい」
日本福祉大学 渡辺顕一郎教授の講演を聞きながら、改めて、子育ての伴走者として保育園に求められる役割を認識し、何を学び、行動すべきか?について理解が深まっていきました。
子ども子育て支援法の新制度になってから、虐待のリスクが高い家庭は認可園に優先的に入園できるようになった点からも、身近な児童福祉施設である保育所が果たすべき役割が大きいことを改めて認識しました。
その後、事例共有やグループに分かれての対話を通じ、
「正直、保育士の役割がどんどん重くなってちょっと大変…と思ってしまいました。でも、子どもたちにとってセーフティネットとなりうる保育園だからこそ、一部の保育園だけがソーシャルワークをやればいいという問題ではないと思います。全ての保育園にソーシャルワークの機能があり、切れ目のない支援システムになってほしいです。」
「私は経営者なので、園長とともに進めていくために、どう伝えようか考えるために研修に参加しました。既に取り組まれている事例を聞いてイメージが沸きました。そして、あえて視点をあげすぎず、まずは自園の園児のことだけ考えてやってみる、と思うとすぐアクションできそうです。それこそ、定員19名という小規模の強みですよね。」
といった感想が寄せられました。それぞの立場から感じることを熱く語り合い、まだまだ話し足りない、そんな熱気に溢れていました。
その後、会の締めくくりとして、渡辺先生から頂いたコメント(一部抜粋)を皆さんに贈ります。
・保健、医療、学校教育など、保育以外にある地域の社会的資源を知ることが第一歩
・自前で何でもやるのではなく、地域の専門機関が使えないか?という視点が大切
・熱心な人ほど、自己完結的な支援をしてしまうが、園内や法人内だけでおわるのは勿体無い
・小規模保育は2歳までなので、その先をどう繋げていくか、縦を見据えてやるべきことを考えていく
待機児童対策の救世主として制度化された小規模認可保育所。
小規模ゆえの手厚さを活かし、今、私たちができること、やるべきことを、皆さんとともに一歩一歩、形にしていければと思います。