2016年7月21日
去る7月9日(土)、「保育現場の事故についての研修会・分科会と開設・運営相談」が開催されました。
これまで開催された研修会と同じく、受付時点で満員御礼となり、総勢62名の方にご参加いただく盛況な会となりました!
今回も、全体研修、分科会の二部構成で、各現場に月曜日から実行できる「一歩」を持ち帰る実践的な場となりました。
また、初の試みとして、分科会と並行して理事による開設・運営相談を実施しました!
◎全体研修 遠藤先生による講演「小規模保育の事故対策」
前半の全体研修では、保育応急救護協会代表 遠藤登先生による全体研修の講演が開催されました。
小規模保育の事故対策として重要な3つの点について、お話をいただきました。
1.保育事故の課題
2.ヒヤリハットの考え方
3.食事の窒息事故の対応
「見守る」と「監視する」の違い、保育の「事故」と「ヒヤリハット」の定義、共有を優先したハザードマップの活用など、今まであいまいになっていたヒヤリハットのイメージやより有効な共有方法を学ぶことができました。
研修後半のワークショップの導入では、感染予防グローブ使用の理由と使用するタイミングについて、動画を見ながら説得力のある説明がありました。
グローブの外し方のワークショップでは、遠藤先生の説明を聞きながら、参加者全員で実施し、感染を最小限におさえるグローブの外し方に感嘆の声が漏れました。
2つめのワークショップでは、「2歳児が食事中に窒息したら・・・」というシチュエーションで、2歳児と保育者のペアになり、咳き込む子どもの背中の叩き方などを実践しました。
研修会の最後に、総括として、遠藤先生から保育においてもPDCAサイクルを回す重要性の説明がありました。
◎分科会 保育のヒヤリハットについて
後半の分科会では、7グループに分かれ、ヒヤリハットについて活発な意見のやりとりが行われました。
はじめに、自分の持つヒヤリハットイメージと所属する園の直近1ヶ月のヒヤリハット件数を各自が発表し、それぞれのヒヤリハットイメージやヒヤリハット件数の差に驚きました。
ヒヤリハットが出ない原因、共有できない原因を考え、共有するために必要なことや、どうすればうまく共有できるかを進行役の人が上手くまとめながら話し合いました。
話し合いの後、ヒヤリハットに対する対策のまとめや月曜から自分ができる一歩について、各グループが発表しました。
最後に、遠藤先生からは、分科会の話し合いや発表を聞いてのコメントや、現場で実践する難しさなど、より現場にそった話をしていただき、今回の研修会お開きとなりました。
遠藤先生。貴重な講演をありがとうございました。
研修会終了後、参加者が持ち寄ったヒヤリハットシートが掲示されたコーナーでは、
参加者がヒヤリハットシートを撮影し、現場に持ち帰って活用しようという姿が多く見られました。
帰り際には、遠藤先生著書「「保育救命」保育者のための安心安全ガイド」を購入し、さらに救命の知識を深めようとする方たちもいらっしゃいました。
今回の研修は、自分のヒヤリハットのイメージを変えるきっかけとなり、月曜からできる一歩を獲得した実り多い場となりました。
また、分科会と平行して、8名の方が理事との開設・運営相談を実施することもできました。
全国小規模保育協議会では、今後も事業者向け、働くスタッフ向けの双方に楽しくためになる研修会やイベントを開催していきます!