全国小規模保育協議会では、かねてから子ども・子育て会議等で、大阪府堺市などで導入されている小規模保育の対象を5歳まで広げられる特区小規模保育事業の全国化の提言を重ねてまいりました。
その提言がついに実り、この度、こども家庭庁から小規模保育施設でも5歳児までの預かりを認めると発表されました。
小規模保育事業は、待機児童が一番多い0〜2歳の受け皿として全国の待機児童問題解消に大きく貢献してきましたが、卒園児が再保活しなければならない「3歳の壁」問題が大きな課題として横たわっていました。
そのため、弊会では小規模保育の対象を5歳まで広げられるよう、かねてより提言を重ねてまいりました。
この提言を2016年、国家戦略特区で行い、「5歳まで預かれる小規模保育」制度が2017年9月に実現。全国に先駆けて大阪府堺市などで、特区小規模保育事業(以下「特区小規模」)が開設されました。
当該自治体の方々にヒアリングを行うと、有用性を感じていらっしゃり、今後についても期待度が高いことが伺えていました。
例えば、堺市の小規模保育の入所率データを見ると、卒園後の入園先として3~5歳の特区小規模保育をもつ小規模保育の入所率が105.3%と、非常に高い結果であることがわかります。
<堺市の入所率(令和2年4月)>
特区小規模を持たない小規模保育 84・4%
特区小規模を持つ小規模保育 105・3%
このようなデータをもとに、弊会では3〜5歳の小規模認可保育園を国家戦略特区だけでなく、全国でできるようにすることを度々要望してきました。
その政策提言活動が実り、この度こども家庭庁より「小規模保育施設でも5歳までの預かりを認める」と発表されました。
これまで、小規模保育の大きな課題として横たわっていた卒園児が再保活しなければならない「3歳の壁」問題が解消されていくことが期待されます。
ポスト待機児童時代の保育インフラとして
今後、全国的に少子化が進む中、人口減少地帯では既存の認可保育園のインフラを維持できなくなる地域が多発してくると考えられます。そうなった際に、少人数の保育ニーズがある地域において、狭いスペースでも立ち上げられ、0~5歳児まで保育でき、かつ、家庭的保育・小規模保育事業者等の卒園児の受け皿となれる小規模保育所があれば、地域の保育インフラを維持していける可能性が見えてきます。
今後も、全国小規模保育協議会では引き続き、提言活動を行ってまいります。
本件に関する過去の提言内容について
本件に関する過去の提言内容の詳細は下記のリンクよりご確認いただけます。