6月7日、「経済財政運営と改革の基本方針2022 新しい資本主義へ~課題解決を成長のエンジンに変え、持続可能な経済を実現~」(骨太方針2022)が閣議決定されました。https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2022/decision0607.html
岸田政権として初となる予算編成や重要施策の方向性を示す方針、通称【骨太の方針】に、かねてから子ども子育て会議などの場で、全国小規模保育協議会が提言してきた「全ての子どもたちが保育園を利用できるように」という方向性を目指す文言が入りました!
全てのこどもに、安全・安心に成長できる環境を提供するため、教育・保育施設等にお いて働く際に性犯罪歴等についての証明を求める仕組み(日本版DBS)の導入、予防の ためのこどもの死亡検証(CDR)の検討、未就園児等の実態把握と保育所等の空き定員 の活用等による支援の推進、SNS等の活用を含めこどもの意見を政策に反映する仕組み づくり、学校給食などを通じた食育の充実、放課後児童クラブやこども食堂等様々なこど もの居場所づくり等に取り組む。こどもの貧困解消や見守り強化を図るため、こども食堂 のほか、こども宅食・フードバンク等への支援を推進する。
経済財政運営と改革の基本方針2022 新しい資本主義へ~課題解決を成長のエンジンに変え、持続可能な経済を実現~(令和4年6月7日閣議決定)(P.13)より
全国小規模保育協議会の提言
待機児童問題が解消しつつある今、保育園は、利用児童のためだけではなく、地域の子育て家庭のための施設であるべきだと考えます。地域に開かれた「あたらしい保育園」へ移行できるようにするためには制度改正等が必要です。
法令上※、保育の必要性認定が受けられるのは、就労、妊娠・出産、保護者の疾病・障害等の事由により、家庭において必要な保育を受けることが困難な子どもに限定されています。
※子ども・子育て支援法第19条第1項第2号・第3号、子ども・子育て支援法施行規則第1条の5
しかし、保育を必要としているのは、必要性認定を受けられる家庭だけではありません。
週1〜週6まで、その家庭に応じたグラデーショナルな利用を可能とし、どのような家庭でも地域の保育園を利用できるように、法令改正を要望しています。
保育所・幼稚園に通園することで、子ども達の虐待リスクを低下させたり、自閉症やADHD等の発達障害を早期に発見し、早期に支援に繋げていくことができます。
しかし、現状も保育園にも幼稚園にも行っていない3歳以上の子どもたちが5万人いることがわかっています。
出典:厚生労働省「地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会(第1回)」資料3
https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000784219.pdf
保育園にも幼稚園にも行けず、家庭の経済力や保護者の意識によって左右されてしまう子ども達は、最も脆弱性が高い層であるとも言えます。
3歳以上児の義務教育化を実現し、こうした子ども達を早期に社会的支援の網の目で支えていくことも必要です。
過去の提言内容のご紹介
>1.「保育の必要性認定」を撤廃し、全ての子どもたちが保育園を利用できるようにしてください。
>1.保育園を誰もが入れる「みんなの保育園」に
>〜保護者の就労要件を撤廃し、就労の有無や形態に関わらず保育園を利用できるよう提言〜
全国小規模保育協議会は、全ての子どもたちが保育園を利用できる社会になるよう、引き続き具体的な提言を行ってまいります。