8月30日、内閣官房は、2023年4月にできるこども家庭庁の23年度予算案の概算要求を公表しました。
新規事業の柱の一つが「未就園児」への支援で、
保育園や幼稚園に通っていない「未就園児」や「無園児」と呼ばれる子どもの支援を本格化させるため、
23年度から、定員に空きのある保育園で定期預かりといった新たな支援のモデル事業を自治体で開始します。
これは、全国小規模保育協議会が、かねてから子ども子育て会議などの場で提言してきた
「全ての子どもたちが保育園を利用できるように」という方針を取り入れたものです!
(2)保育の受け皿整備・保育人材の確保等【一部新規】【一部推進枠】
・多様な保育の充実
保育所の空き定員等を活用し、未就園児を定期的に預かるためのモデル事業を実施するとともに、外国籍のこどもを受け入れるため
の加配職員の補助要件の緩和を行う。
令和5年度予算概算要求の概要 (こども家庭庁)(P.7)より
全国小規模保育協議会の提言
待機児童問題が解消しつつある今、保育園は、利用児童のためだけではなく、地域の子育て家庭のための施設であるべきだと考えます。地域のすべての親子に開かれた「地域おやこ園」へ移行できるようにするためには制度改正等が必要です。
法令上※、保育の必要性認定が受けられるのは、就労、妊娠・出産、保護者の疾病・障害等の事由により、家庭において必要な保育を受けることが困難な子どもに限定されています。
※子ども・子育て支援法第19条第1項第2号・第3号、子ども・子育て支援法施行規則第1条の5
しかし、保育を必要としているのは、必要性認定を受けられる家庭だけではありません。
週1〜週6まで、その家庭に応じたグラデーショナルな利用を可能とし、どのような家庭でも地域の保育園を利用できるように、法令改正を要望しています。
保育所・幼稚園に通園することで、子ども達の虐待リスクを低下させたり、自閉症やADHD等の発達障害を早期に発見し、早期に支援に繋げていくことができます。
しかし、現状も保育園にも幼稚園にも行っていない3歳以上の子どもたちが5万人いることがわかっています。
出典:厚生労働省「地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会(第1回)」資料3
https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000784219.pdf
保育園にも幼稚園にも行けず、家庭の経済力や保護者の意識によって左右されてしまう子ども達は、最も脆弱性が高い層であるとも言えます。
3歳以上児の義務教育化を実現し、こうした子ども達を早期に社会的支援の網の目で支えていくことも必要です。
過去の提言内容のご紹介
>1.「保育の必要性認定」を撤廃し、全ての子どもたちが保育園を利用できるようにしてください。
>1.保育園を誰もが入れる「みんなの保育園」に
>〜保護者の就労要件を撤廃し、就労の有無や形態に関わらず保育園を利用できるよう提言〜
全国小規模保育協議会は、全ての子どもたちが保育園を利用できる社会になるよう、引き続き具体的な提言を行ってまいります。