【報告】内閣府「子ども・子育て会議(第52回)」駒崎理事長による提言のご紹介

6/26に開催された内閣府「子ども・子育て会議(第52回)」における、小規模保育に関する駒崎理事長の提言をご紹介いたします。

1.シッター等、保育者の性犯罪歴チェックの仕組み導入を提案

今年度に入り、大手ベビーシッターマッチングアプリの登録シッターが性犯罪容疑で立て続けに2人も逮捕されました。1人の性犯罪者は、平均380人の被害者を生んでいるという研究もあり、被害に遭っても親にも言えず、心にトラウマを抱えてしまっている子どもたちが多く存在すると思われます。

海外では、子どもを性犯罪などから守るための仕組みが導入されています。
例えば、イギリスでは、子どもと直接関わる保育士やベビーシッターなどとして働くためには、DBS(Disclosure and Barring Service)という政府部局が発行する犯罪歴証明書が必要です。

雇用者である保育所やベビーシッター事業者は、この証明書により、性犯罪などの犯罪歴がないかチェックした上で採用することができます。ベビーシッター等の保育者による性犯罪がこれ以上繰り返されないように、「性犯罪歴照会システム」(日本版DBS)を早急に導入していただきたいと考えます。

内閣府はベビーシッター補助の対象事業者が事故等を起こした際に、是正勧告をし、是正がなかった場合に対象から除外する等のルール作りを要望いたしました。

2.所得税法第9条に定められる「非課税対象」に「保育費用」の追加を要望

 所得税法は第9条において課税がされない例外規定を設けており、学費関係や障害者給付などについて課税が免除されていますが、「保育費用」は対象外です。平成23年に成立した子ども子育て支援法などにおいて、「保育にかかる費用は非課税とする」旨の文言が入りましたが、これは内閣府の事業にのみ適用され、地方自治体が行う施策は対象外となっています。

【子ども子育て支援法】


東京都が共働き世帯を応援する施策として実施している「東京都ベビーシッター利用支援制度」では、
利用者への助成金が、その利用者の所得扱いになって課税されています。


↑東京都福祉保健局HP ベビーシッター利用支援制度の説明より

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↑東京都福祉保健局HP ベビーシッター利用支援制度「令和2年度利用約款」

利用者が幅広い選択肢の中から子育てと仕事を両立するという環境を後押しするべきと考え、各自治体が工夫して創設した事業において「利用者が受けた助成に所得税がかかってしまう」という状況の是正を要望いたしました。

3.居宅訪問型保育事業に「障害児保育加算」を適用してください

居宅訪問型保育事業(障害児向け)は、障害、疾病等で集団保育が著しく困難であると認められる児童等を対象とした制度です。障害、疾病等のあるお子さんをお預かりする場合、専門のスタッフを採用し、医療的ケアの手技ができるよう育成を行う必要があります。このため、都市部(東京都豊島区、江東区、杉並区、渋谷区等)で待機児童対策として行われている居宅訪問型保育事業よりも、多くの費用がかかりますが、現状は「連携施設加算」のみでしか公定価格に差がない制度となっています。

同じ地域型の小規模保育事業には「障害児保育加算」が存在し、特別な支援が必要な利用子どもの単価に加算される仕組みが存在します。

今年度より千代田区では障害児を預かる居宅訪問型保育事業に対して「障害児等対応加算」が新設されました。同様の仕組みを居宅訪問型保育事業(障害児向け)に追加する等、公定価格の見直しを求めました。

4.アウトリーチ型の子育て支援サービスの充実に向けて、ニーズ・課題の実態調査を提案

新型コロナウイルス感染問題は、社会に大きな影響をもたらしており、特に、子どもと子育て中の人びとに様々な変化や課題が現れています。緊急事態宣言が発令され、保育の利用自粛が続く中、多くの親子が家に閉じこもらざるを得なくなりました。
その結果、児童虐待のリスクが高まり、小規模保育の現場でも、気になる子ども・保護者への声かけなど、保育ソーシャルワークの観点から取り組みを続けています。

一方、育児支援ヘルパー、養育支援ヘルパー、ひとり親支援ヘルパー、またいくつかの自治体で取り組まれている産前産後支援ヘルパーなどの訪問型支援については、緊急事態宣言が発令された期間においても、必要とされる家庭に対しヘルパーは細心の注意を払いながら対応しました。

施設型保育の利用自粛が続く中での最後の支援の砦となって、各種子育て支援ヘルパー派遣事業は継続されています。一方で対応できる事業者の少なさ、人材確保の課題は存在します。

子ども・子育て会議では、すでに子ども子育て支援計画の新たな5年をスタートする年ではありますが、今般の新型コロナウイルス感染問題を機に起こっている、子ども・子育て支援に関する課題をとらえ、より効果的な計画を策定するため、「アウトリーチ型の子育て支援に関する実態調査(利用者およびサービス提供者を対象)」の実施を提案いたしました。

5.公定価格の土曜減算の閉所に関する具体的な通知を出してください

保育所等を土曜日に閉所する場合の減算調整について、閉所日数に応じて段階的に減算する仕組みに見直されましたが、自治体により閉所の解釈にばらつきが見られる状況があります。

利用希望がないといった理由により土曜日を閉所する場合は減算となりますが、例えば利用希望があったが直前にキャンセルとなった場合も、利用者がいないという理由で減算する自治体があります。

小規模保育では、そもそもの土曜利用希望者が少なめです。例えば1人の子どもに対応するため、予め保育士2人、調理1人を配置するシフトを組みます。しかし、直前のキャンセルで利用がなくなっても開所する必要があるため、人件費が発生してしまいます。

利用者がいるかいないかに関わらず、利用希望が入ったかどうかで開所・閉所の判断をして頂く運用とする通知の発出を依頼しました。

6.公定価格加算項目のうち、「利用実績によって」加算額を算定する項目へのコロナ対応の補償を全般的とするよう要望

コロナによって登園自粛を求めたことによる影響として、公定価格加算項目のうち、「利用実績によって」加算額を算定する項目への補償が全般的にされていません。
報道や公式回答では、公定価格は満額補償されているので保育士への給与をはじめ、事業者が100%給与を保障するべきという議論がされているところではありますが、実際には減収が見込まれております。

特に、一時預かり、幼稚園型預かり保育、延長保育や病児保育、ひろば事業などの実績に基づく評価については積極的に地域の子育て支援に尽力してきた法人や、規模が小さい小規模保育所においては、少しの加算減でも、運営費上に比率を考えると影響が大きく、規模の大きな認定こども園などでも、実績値の大きな法人は金額が甚大です。

支出のほぼすべては人件費のため、100%を保障するように報道されるのであれば、やはり見込まれていた利用者数(例えば昨年度実績や定員等での酌量)に見合う補償ないし、みなし実績とする必要があると考えます。公定価格加算項目のうち、「利用実績によって」加算額を算定する項目への補償を全般的としていただけるよう依頼いたしました。

7.保育所や学童保育の職員への慰労金支給を要望

緊急事態宣言下、新型コロナウイルス感染防止のため、学校は休校措置を取りましたが、保育所や学童保育は、医療従事者や社会の機能を維持するために就業継続が必要な方々の子ども等を預かるため、開所していました。

令和2年度二次補正予算では、医療機関の医療従事者及び職員に対しては、感染リスクと厳しい環境の下で、相当程度心身に負担がかかる中、強い使命感を持って、業務に従事していることから、慰労金が支払われることになりました。

また、介護施設・事業所に勤務する職員に対しても、新型コロナウイルスの感染防止対策を講じながら介護サービスの継続に努めたことから、慰労金が支払われることになりました。

一方、保育所や学童保育の職員は、自らの感染リスクを感じながら、子どもたちに絶対に感染させないように細心の注意を払って、懸命に保育サービスを継続していたにも関わらず、慰労金が支払われないのは公平性に欠けます。

「クラスターの発生率は、他の福祉施設に比べると低く、死亡例も少なくて軽症者が多い」とのことですが、実際クラスターが発生していても子どもは無症状、軽症、もしくはみずから体調不良を訴えることができません。見た目や検温だけでは分からないこともあり、その中で保育従事者は介護従事者同等の感染リスクにさらされています。介護も保育も重症化リスクは従事者の属性次第であり、なんら変わりありません。

福岡市、大阪府摂津市には、保育従事者の感染リスクを理解いただき、独自に慰労金を支給している事例があります。一部自治体にとどまらず全国で保育所や学童保育の職員への慰労金支給を要望致しました。

8.ひろば事業などの実施方法としてオンラインでの実施も実績として計上できることについて、自治体向けQ&Aの拡充を依頼

コロナ対応により、保育や子育て支援の取り組みが多様化しています。特に、ICT技術を使ったオンライン保育や、オンライン会議の仕組みを使った子育て支援のイベント開催などが増えております。保育事業者も工夫を凝らしてソーシャルディスタンスを取りながらの子育て支援に取り組み始めていると言えるでしょう。

一方で、一部の自治体においてはオンラインでの子育て支援に対し、「ひろば事業」などの実績や企画として認めない例や、「オンラインは行政として推奨していない。公園などで2mの距離を置いて開催するなど考えるように」と指導している例なども散見されます。

我々保育現場としては、ICTを活用した取組については、コロナ感染のリスクを抑えながら人のつながりを維持することに非常に有効と考えており、むしろ推奨されることと考えています。ひろば事業などの実施方法としてオンラインでの実施も実績として計上できることについて、自治体向けQ&Aで示してもらえるよう依頼しました。

9.コロナの影響による失業者に対し、保育認定の延長を柔軟にできるように自治体への通知発出を依頼

コロナの影響によって失業者が増大を始めており、更なる深刻化も予想されています。雇用情勢は不透明なままであり、保育所等の保護者の中にも失業をはじめ大きな不安を抱えている方も増えてきました。

昨年度の、「保育新制度5年目の見直し」において、改めて求職事由による認定は90日という原則が確認されており、延長も慎重にするよう指示されています。現在の情勢を鑑み、今年度の認定に関して猶予期間を長めにとっていただくことなどの配慮を行うことを各自治体に通知していただくことを要望しました。

詳細は内閣府ホームページをご覧ください。
子ども・子育て会議: 子ども・子育て本部 – 内閣府(リンク
子ども・子育て会議(第52回)会議資料はこちら

【報告】内閣府「子ども・子育て会議(第51回)」提言内容のご紹介

2020年2月6日

1/31に開催された内閣府「子ども・子育て会議(第51回)」における、小規模保育に関する駒崎理事長の提言をご紹介いたします。

1.保育所で子ども食堂の開催を許可する通知発出を依頼

保育所にはキッチンがあり、子どもにとって安全な環境であるため、地域の孤立しがちな親子に対して子ども食堂を行うのに適しています。

一方で、厚生労働省は現在「厚生労働省所管一般会計補助金等に係る財産処分について」(平成20年4月17日 雇児発第0417001号 厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)を根拠に、施設整備費の国庫補助を受けて建てた保育所の場合、補助目的の達成や補助対象財産の適正な使用という観点から、保育を実施するという目的のために補助金を受けて取得した財産(建物)を使って収益を得ることは不適当だという考えを示しています。

子ども食堂のような福祉的な取り組みは、実費あるいは実費以下の料金によって料理を提供するものであり、上記の通知で想定されている商業性のある用途ではありません。また、保育所は保育とともに、地域の子育て支援を担う施設であることから、子ども食堂のような福祉的な取り組みは目的外使用とは言えないと考えます。

保育所が園児のみを対象とした施設から、地域の様々な親子に寄り添い、伴走できる施設になることを願い、「子ども食堂(あるいは類似した食を通じた子育て支援・コミュニティ活動)を保育所でも行って構わない」「その際に実費を徴収することは認められる」という通知等の発出を厚労省に依頼いたしました。

2.土曜日の閉所日数に応じた減算要件に関する提言


子ども・子育て会議(第51回)配布資料1-2 令和2年度当初予算(案)及び令和元年度補正予算(案)における公定価格の対応について より抜粋

「土曜日に閉所する場所の減算調整の見直し」に関する議論について、小規模保育所では、土曜利用希望を受けた時点で保育士2名、調理1名の職員を配置し、土曜出勤の振替休日を事前に取得するケースがあります。直前のキャンセル等で保育を提供していない場合でも開所する場合があり、それに伴って人件費が発生してしまいます。

特に小規模保育事業の場合、そもそもの土曜利用希望者が少なく、事前に保育の利用希望を受け、職員を配置していたが、直前のキャンセルがあった場合に影響は甚大です。

保育を提供しているかどうかではなく、保育の利用希望の申込があり、保育を提供できる体制をとったかどうかで減算の適用判断をする運用としていただきたいと申し入れました。

3.企業主導型保育園における土曜共同保育の実施に関する通知・FAQの発出を依頼

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子ども・子育て支援新制度施行後5年の見直しに係る対応方針について(案)より抜粋

土曜日の保育園の利用園児数は平日に比べ、どの園でも少なくなっている現状があり、これは小規模保育や認可保育所のみならず、企業主導型の保育園でも起こっています。認可保育園や小規模保育園ではすでに共同保育の実施が進められており、保育園に勤務する保育士等のスタッフの働き方改革にも寄与できています。

ある自治体にて、上記の資料(※)を提示した上で、企業主導型保育園における来年度以降の土曜共同保育を実施したい旨を申し出を行ったケースにて、「他の小規模保育事業等との「土曜日の共同保育」については、企業主導型保育園として認められないという考え方で差し支えない(企業主導型同士での場合も、同様となります)」との回答があり、共同保育の実施が難しい状況があります。

企業主導型保育園は、各自治体の基準を満たしてはいませんが、どの園も国の基準を満たしている保育園です。自治体への申請がよりスムーズに進むことが想定されるため、通知やFAQの発出、児童育成協会との認識のすり合わせを依頼いたしました。

4.地域型保育事業 認可件数の公表を依頼

子ども・子育て支援新制度が施行された後、平成27年4月1日、平成28年4月1日と2カ年連続で、厚生労働省は「地域型保育事業の件数について」という調査結果を厚生労働省のホームページで公表していました。

その後、認可件数が公表されていない状況が続いているため、引き続きの調査、集計結果の公表を依頼いたしました。

詳細は内閣府ホームページをご覧ください。
子ども・子育て会議: 子ども・子育て本部 – 内閣府(リンク)
子ども・子育て会議(第51回)会議資料はこちら

【報告】全国小規模保育協議会の政策提言を受け、厚生労働省が「保育所等における要支援児童等対応推進事業」を予算化!

2019年12月26日

全国小規模保育協議会が国に政策提言を行ってきた「保育ソーシャルワーカー配置」が、令和2年度(2020年度)厚生労働省 保育関係予算概要に盛り込まれました!
※ 名称は「保育所等における要支援児童等対応推進事業」です。

保育ソーシャルワークとは?
子どもたちを取り巻く環境が大きく変化する中で、保育園でも多様な子育て問題への対応が求められています。

養育不安や子ども虐待といった親子の問題、貧困やDV、多国籍化する家庭や家族の問題、子どもと養育者の疾病や障害、 さらには保育者と保護者のコミュニケーショントラブルなど、その種類はさまざま。通常の保育では対応しきれない場合も少なくありません。

そこでフローレンスは、課題を抱える親子により専門的なアプローチをするべく、「保育ソーシャルワーク」の取り組みを始めました。通常保育園で行う保護者支援に加えて、相談支援・ソーシャルワークの視点を持って親子や家庭の課題に対応する専門スタッフ「保育ソーシャルワーカー」を設置する試みです。


保育ソーシャルワーカーをおくことで、養育困難や虐待など緊急度の高いケースはもちろん、これまで保育スタッフが「気になるけれど、どこに相談すればよいのかわからない」「大事にするほどではないかもしれない」と見守りがちにしていたケースについても、丁寧に状況を確認し対応できるようになりました。

フローレンスでの実践をもとに、全国小規模保育協議会としては「最も厳しい状況の家庭にも寄り添える小規模保育でありたい」と考え、保育ソーシャルワークの実践を全国に広げていこう、と決定。積極的な政策提言を行ってまいりました。

地域連携推進員(仮称)とは

来年度の予算案において、保育ソーシャルワーカー配置は「保育所等における要支援児童等対応推進事業」という名称で実現いたしました。

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出典データ保管先:
令和2年度(2020年度)厚生労働省 保育関係予算概要
https://www.mhlw.go.jp/content/000581431.pdf

基幹保育所に地域連携推進員(仮称)を配置し、基幹保育所内で相談支援を実施しつつ、他の保育所等への巡回支援も行っていきます。推進員は要保護児童対策協議会と連携し、保育所で見つけたケースを各関係機関と繋げ、協議していくのです。

地域連携推進員は、名前は異なれど、全国小規模保育協議会が提案してきた保育ソーシャルワーカーの役割そのものです。

この仕組みが機能することで、下流の児童相談所マターになる前の、上流の保育所の時点で親子の変化に気づき、適切に社会資源に繋いでいくことが可能になってくることが期待されます。
厚生労働省が保育所におけるソーシャルワークが可能になるスキームを作っても、自治体が手を挙げて、保育ソーシャルワーカーを配置する保育所を公募したり委託しなければ、絵に描いた餅となってしまうため、心ある地方議員や自治体職員に「うちの自治体でやらないの?」「うちの自治体でやろうよ」と声を上げていただくことが望まれます。

【報告】内閣府「子ども・子育て会議(第50回)」駒崎理事長による提言のご紹介

2019年12月13日

12/10に開催された内閣府「子ども・子育て会議(第50回)」における、小規模保育に関する駒崎理事長の提言をご紹介いたします。

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1.保育所の空きスペース活用を許可する通知の発出を提案

大半の保育所は、日曜日や土曜日夜は使われておらず、平日にも、使っていないスペースを抱える保育所は少なくありません。

アイドリングしている保育園内スペースを、地域のNPOや習い事の先生、親グループ等に貸すことができれば、保育所がコミュニティの結節点になっていく未来が描けます。

有料での貸し出しができるようになると、保育所は僅かながらでも収入を得られ、増収分を備品や施設の更新費用や、保育士の処遇にあてることが可能になります。

一方で、現在、保育所の貸し出しを行って収入を得ることは、目的外使用となり監査に引っかかってしまいます。

人口減少社会においては、施設を保育所としての利用にとどめず、時に会議室や習い事、子ども連れ誕生日会の会場としても使えるようにするなど、保育所の空きスペース活用を許可する通知の発出を提案いたしました。

詳細は内閣府ホームページをご覧ください。
子ども・子育て会議: 子ども・子育て本部 – 内閣府(リンク)
子ども・子育て会議(第50回)会議資料はこちら

【報告】内閣府「子ども・子育て会議(第49回)」駒崎理事長による提言のご紹介

2019年11月29日

11/26に開催された内閣府「子ども・子育て会議(第49回)」における、小規模保育に関する駒崎理事長の提言をご紹介いたします。

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1.常勤の調理スタッフを配置できるよう、小規模保育事業における公定価格の調理員人件費見直しを提案

小規模保育事業において、公定価格の基本分単価に含まれる調理スタッフの人件費は非常勤です。一方で、保育所の調理スタッフの人件費は利用定員151人以上の施設を除き常勤となっています。

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小規模保育事業の施設の多くが調理スタッフを非常勤で雇用しているため、スタッフが1名で業務を担うことの負担感から、他職種や常勤スタッフと比較して離職率が高く、安定した体制がつくりづらい現状があります。

保育所と小規模保育事業では、提供する食数の違いはあれど、調理の工程や食材の管理・発注業務、衛生管理、乳幼児の食に携わることへの責任の重さは同じであるため、小規模保育施設でも常勤の調理スタッフが配置できるよう、人件費の見直しが望まれます。

人件費の見直しが難しい場合は、急な調理スタッフの離職や突発的なシフトの不足に対して園長が調理業務に入ることを認め、それにより管理者設置加算が非適用とならないよう、あわせて要望いたしました。

詳細は内閣府ホームページをご覧ください。
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【報告】内閣府「子ども・子育て会議(第48回)」駒崎理事長による提言のご紹介

2019年11月25日

11/12に開催された内閣府「子ども・子育て会議(第48回)」における、小規模保育に関する駒崎理事長の提言をご紹介いたします。

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1.保育の必要性認定の基準に「多胎児を育てている家庭等」の追加を再提案

多胎児家庭(双子・三つ子家庭等)では、多大な育児負担を保護者(特に母親)が担う現状があります。

新生児期の授乳回数は1日8回~12回 といわれており、単純計算で双子の場合は16回、三つ子では24回。もちろん、毎日の送り迎え、お風呂、おむつ替え、寝かしつけ…も人数分です。

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こうした過酷な育児環境を背景に、多胎育児によって鬱状態になり三つ子の次男を叩きつけ死なせてしまった母親に、実刑判決が確定しました。

現在、保育の必要性認定基準は、以下の通り定められています。


保育必要性認定の3に「保護者の疾病・障害」とあり、育児負担そのものが、親の養育キャパシティを超えている場合には、保育所保育がそれをサポートできる、という趣旨で必要性認定の中に入れられたとすれば、多胎児家庭の育児負担は保護者のキャパシティを超えて大きく、保育所がセーフティネットとして活用されるべきと考えます。

認定NPO法人フローレンスと、フローレンスの赤ちゃん縁組事業部に所属しながら「多胎育児のサポートを考える会」代表を務める市倉加寿代が行った多胎児家庭1,500世帯超のアンケート調査からは、以下のデータが浮かび上がってきました。

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68%の多胎児家庭が「家事育児の手」を欲しており、「子を預ける場所」についても52%が求めている状況であるため、子ども子育て支援新制度5年後見直しの今回、保育の必要性認定事項に「医ケア児・多胎児を育てている家庭等」を入れるべきであると、10月10日に開催された子ども・子育て会議(第46回)に続いて提言いたしました。

▼多胎児家庭によるアンケートの詳細な結果についてはこちら

詳細は内閣府ホームページをご覧ください。
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【報告】内閣府「子ども・子育て会議(第47回)」駒崎理事長による提言のご紹介

2019年11月12日

10/31に開催された内閣府「子ども・子育て会議(第47回)」における、小規模保育に関する駒崎理事長の提言をご紹介いたします。



1.居宅訪問型一時預かり事業の対象児童・実施要件緩和の提案

一時預かり事業は、2015年の子ども子育て支援事業において、以下の4類型に分類されました。

①一般型・・・・子どもが保育所、幼稚園、認定こども園等に通っていない場合に利用することが出来る
②余裕活用型・・利用している子どもの数が定員に達していない保育施設で行われる
③幼稚園型・・・普段の幼稚園の教育時間の前後、または春休みや夏休みなどの長期間の休業日に幼稚園等において一時的に預かる
④訪問型・・・・子どもの自宅に直接職員が訪問をして一時的に預かる

このうち、①②③は施設型、④は居宅訪問型となります。居宅訪問型は、現在のところ事業者数が全国で0件と、全く活用されておりません。


(引用:第45回子ども・子育て会議「子ども・子育て支援新制度施行後5年の見直しに係る検討について」資料)
  
要因としては、一般型・余裕活用型・幼稚園型では対象児童を細かく制限していないのに対し、居宅訪問型は以下ア~ウに該当する児童のみが対象となります。

ア 障害、疾病等の程度を勘案して集団保育が著しく困難であると認められる場合。
イ ひとり親家庭等で、保護者が一時的に夜間及び深夜の就労等を行う場合。
ウ 離島その他の地域において、保護者が一時的に就労等を行う場合。

さらに、実地要件にも「①ー③を実施出来ない場合」との定めがあり、補助単価も十分ではないため、手を挙げたい事業者にとってはハードルが高い状況といえるでしょう。

一方で、1,500人超の多胎家庭の保護者によるアンケートでは、「通院したくても一時保育の施設まで連れて行くことが困難」「荷物が多すぎて持っていけないので、断念するしかない」という声が上がっており、施設まで子どもを連れて行くことが困難な多胎家庭や、乳幼児の多子家庭からの居宅訪問型一時保育のニーズは非常に高いです。

この状況を受けて、居宅訪問型一時預かり事業の対象児童を一般型同様の基準への緩和と、実施要件の撤廃を提案いたしました。

2.特定の連携施設でないという理由で、公定価格の「連携施設を設定しない場合」の減算となるルール廃止を

特定の連携施設で卒園後の受け皿を設けることの難しさから、先行入所調整方式や指数加点方式を市町村主導で実施するケースが増えています。希望の保育園を選べ、かつ卒園後の受け皿の不安も解消されるため、保護者にとっても良い仕組みです。

一方で、ある市町村には、上記の取り組みが家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準(平成26年厚生労働省令第61号)第6条第1項の3号に掲げる連携協力とみなさず、公定価格の「連携施設の設定がなされていない場合」として減算されてしまうルールが存在します。

現状は市町村によって連携協力とみなすか否かの判断が分かれているため、先行入所調整方式や指数加点方式で家庭的保育事業等の卒園後の受け皿を確保した場合には減算しないとする通知を出して頂けるよう依頼いたしました。

<ご参考>
公定価格FAQ No.117
家庭的保育事業等は、連携施設を設けることが要件となっており、公定価格上、基本分単価に「連携施設との連携に係る費用」が積算されています。このため、たとえ経過措置期間中であっても、連携施設の設定がなされていない場合には、減算の対象となります。
なお、連携施設は、家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準(平成26年厚生労働省令第61号)第6条第1項各号に掲げる全ての連携協力が確保されたものであることとします。

■家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準(平成26年厚生労働省令第61号)第6条第1項
一 利用乳幼児に集団保育を体験させるための機会の設定、保育の適切な提供に必要な家庭的保育事業者等に対する相談、助言その他の保育の内容に関する支援を行うこと。
二 必要に応じて、代替保育(家庭的保育事業所等の職員の病気、休暇等により保育を提供することができない場合に、当該家庭的保育事業者等に代わって提供する保育をいう。以下この条において同じ。)を提供すること。
三 当該家庭的保育事業者等により保育の提供を受けていた利用乳幼児(事業所内保育事業(法第六条の三第十二項に規定する事業所内保育事業をいう。以下同じ。)の利用乳幼児にあっては、第四十二条に規定するその他の乳児又は幼児に限る。以下この号において同じ。)を、当該保育の提供の終了に際して、当該利用乳幼児に係る保護者の希望に基づき、引き続き当該連携施設において受け入れて教育又は保育を提供すること。

詳細は内閣府ホームページをご覧ください。
子ども・子育て会議: 子ども・子育て本部 – 内閣府(リンク
子ども・子育て会議(第47回)会議資料はこちら

【報告】全国小規模保育協議会の提言を受け、厚生労働省が「災害時に保育所を臨時休園する際の基準策定」を決定しました!

2019年10月29日

2019年8月29日に開催された内閣府「子ども・子育て会議(第44回)」にて全国小規模保育協議会が提言を行った『台風等、天災時の「計画休園」スキーム創設』について、昨日、厚生労働省が災害時に保育園を休園する際の具体的な基準を設けるとの報道がありましたので、ご報告させていただきます。

<2019年10月28日の日本経済新聞 電子版より>
災害時の保育所休園、厚労省が基準策定へ

(一部抜粋)
『厚生労働省は豪雨や地震など災害時に保育所を休園する際の具体的な基準を設ける。

小学校などでは臨時休校に関する決まりがあるのに対し、保育所は明確な基準がなく、自治体や保育所が個別に判断していた。これまで大型の台風が首都圏を襲った際も保育士が前泊して通常通り開所したといった事例も多く、基準を設けて安全の確保や働き方改革につなげる。

年内にも実態調査し、それをもとに基準を作る。2019年度中にも通知を出すなどして自治体や事業所に伝える。』

本件は、関西連絡会や上野理事(ぬくもりのおうち保育株式会社代表取締役会長)らに発案いただき、全国小規模保育協議会として提言を推進し制度変革に至った、会員の皆様と共につくりあげたアクションです。

小規模保育をより良い制度にしていくことを目指し、ぜひ皆様におかれましても随時、ご意見賜われましたら幸いです。

「台風等、天災時の「計画休園」スキーム創設」提言内容はこちら

2019年8月29日に開催された内閣府「子ども・子育て会議(第44回)」にて全国小規模保育協議会が提言を行った『台風等、天災時の「計画休園」スキーム創設』について、昨日、厚生労働省が災害時に保育園を休園する際の具体的な基準を設けるとの報道がありましたので、ご報告させていただきます。

<2019年10月28日の日本経済新聞 電子版より>
災害時の保育所休園、厚労省が基準策定へ

(一部抜粋)
『厚生労働省は豪雨や地震など災害時に保育所を休園する際の具体的な基準を設ける。

小学校などでは臨時休校に関する決まりがあるのに対し、保育所は明確な基準がなく、自治体や保育所が個別に判断していた。これまで大型の台風が首都圏を襲った際も保育士が前泊して通常通り開所したといった事例も多く、基準を設けて安全の確保や働き方改革につなげる。

年内にも実態調査し、それをもとに基準を作る。2019年度中にも通知を出すなどして自治体や事業所に伝える。』

本件は、関西連絡会や上野理事(ぬくもりのおうち保育株式会社代表取締役会長)らに発案いただき、全国小規模保育協議会として提言を推進し制度変革に至った、会員の皆様と共につくりあげたアクションです。

小規模保育をより良い制度にしていくことを目指し、ぜひ皆様におかれましても随時、ご意見賜われましたら幸いです。

「台風等、天災時の「計画休園」スキーム創設」提言内容はこちら

【報告】内閣府「子ども・子育て会議(第46回)」駒崎理事長による提言のご紹介

2019年10月28日

10/10に開催された内閣府「子ども・子育て会議(第46回)」における、小規模保育に関する駒崎理事長の提言をご紹介いたします。


1.保育の必要性認定の基準に「医療的ケア児の育児」と「多胎児育児」の追加を提案

保育の必要性認定の基準は以下となっており、現状「医療的ケア児の育児」と「多胎児育児」は含まれておりません。

医療的ケア児を育てる家庭は、15分に1回のたん吸引、呼吸器管理、注入食の準備等で、非常に重たい育児負担を抱えています。にも関わらず障害児の児童発達支援施設においても、看護師がいないことを理由に、利用できない場合が頻発しています。

また、多胎児家庭(双子・三つ子家庭等)も多大な育児負担を保護者(特に母親)が担う現状があります。新生児期の授乳回数は1日8回~12回 といわれており、単純計算で双子の場合は16回、三つ子では24回。もちろん、毎日の送り迎え、お風呂、おむつ替え、寝かしつけ…も人数分です。

保育必要性認定の3に、「保護者の疾病・障害」とあります。これが「育児負担そのものが、親の養育キャパシティを超えている場合には、保育所保育がそれをサポートできる」という趣旨であるならば、医ケア児家庭、多胎児家庭の育児負担は保護者のキャパシティを超えて大きく、保育所がセーフティネットとして活用されるべきと考え、保育の必要性認定事項に、「医ケア児・多胎児を育てている家庭等」の追加を提案いたしました。

2.医療的ケア児を保育園で預かるにあたって、制度の拡充を依頼

例えば、横浜市で支給されている「①障がい児受入加算」「②看護職雇用費加算」「③医療的ケア対応看護師雇用費」について、障がい児受入加算は受け入れた医療的ケア児に応じて給付されますが、看護職雇用費加算・医療的ケア対応看護師雇用費は人数制限があり、現状、看護師加算が存在しません。

看護職雇用費加算については、過去に厚労省から出ている看護師配置について、0歳児を6人以上預かっている認可保育所には、零歳児保育特別対策事業として補助金が出ていましたが(条件として看護師・保健師・助産師のいずれかがいること)、平成18年以降、事業自体がなくなってしまいました。

この状況を受けて、施設単位での看護師加算ではなく「医療的ケア児を預かる際の公定価格に看護師加算」となるよう、依頼いたしました。

詳細は内閣府ホームページをご覧ください。
子ども・子育て会議: 子ども・子育て本部 – 内閣府(リンク) 
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