【報告】内閣府「子ども・子育て会議(第53回)」提言のご紹介

10/5に開催された内閣府「子ども・子育て会議(第53回)」における、小規模保育などに関する駒崎理事長の提言をご紹介いたします。

1.3歳以上児を受け入れる国家戦略特区小規模保育施設が、家庭的保育事業等の連携施設として認定されるよう要望

3~5歳児の定員を設定する施設である特区小規模保育施設(以下「特区小規模」)は、現行の制度では、小規模保育事業、家庭的保育事業及び事業所内保育事業(以下「家庭的保育事業等」)の連携施設となることはできないとされています。

平成31年4月、「特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業並びに特定子ども・子育て支援施設等の運営に関する基準」の一部が改正され、同法第四十二条5項では、卒園後の受け皿を担う連携施設の確保が著しく困難であると認めるときは、企業主導型保育事業、又は地方自治体が運営費支援等を行っている認可外保育施設から確保できることとなっています。

全国に先駆けて特区小規模を開設した大阪府堺市では、家庭的保育事業等と協定を締結することにより、家庭的保育事業等の卒園児を優先的に受け入れることができるとしており、既存の小規模保育事業に近接した場所に特区小規模を開設し、日頃から保育について連携協力を行っているため、卒園後の移行もスムーズです。

保育所や幼稚園、認定こども園と同様に、特区小規模を連携施設として認めて頂くか、第四十二条第5項に追加頂くことを要望いたしました。

2.わいせつ行為を行った保育士の免許が失効したことを確認できる期間を、教員と同様に40年にすることを要望

保育士は犯罪行為によって免許が取り消されたとしても、2年が経過すると、免許の再取得が可能である旨が児童福祉法第十八条の五に記されています。

一方で、子どもに対する性犯罪は極めて常習性、再犯性の高いものです。法務省の調査では、小児わいせつで検挙された犯罪者の84.6%が、小児わいせつの前科を持っていたことが明らかになりました。(参照元:平成27年版犯罪白書, 法務総合研究所)

さらに、小児性愛障害の専門家である斉藤章佳氏らによって、小生性愛障害を持つ者は、性嗜好が職業選択の基準となっており、免許が取り消されても、子どもと関われる別の現場に転職したり、元の保育士に戻っていたりする可能性が指摘されています。

この問題は、教育分野でも長く指摘されてきました。現行法では、教員免許が取り消されても3年後には再取得が可能で、教員の処分歴を検索するデータベースでも情報が開示されなくなっていました。しかしこのほど、文部科学省はわいせつ行為などで教員免許を失効したことを確認できる期間を40年に延長する方針を示しています。

子どもたちを性犯罪から守るため、保育士の欠格事由について教員と同等に引き上げることを要望いたしました。

3.コロナ禍における、保育所監査の簡略化・分散化・オンライン化を提案

今年度、コロナ禍においても、保育所監査が通常通り実施されています。長時間の対応を迫られている実情に関し、保育所側の負担が大きいため一部簡略化・分散化・オンライン化などの対応を含めた配慮を依頼しました。

保育現場は、エッセンシャルワーカーとしてコロナによる自粛要請期間も含め、開所をしています。現在も感染者クラスタが生まれないよう細心の注意をもって開所をしております。また、2月からの長期戦のため、職員は心労や保護者・行政対応も含め疲弊をしており、特に小規模保育所のような少人数スタッフでの対応には一部限界が出ているところもあります。

感染症対策で職員と在園児以外の保育室出入りを禁じている園もあり、その対策も適正に行っているところです。

しかし、職員室も別室として大きな空間の無い小規模保育所に、監査対応のため、行政の職員が入れ代わり立ち代わり多数出入りすることで危険を増している現状があります。特に午睡現場チェックや給食室等の立ち入りは今、この時期に取り立てて行うことが適切であるか疑問を感じざる得ません。

そこで、監査の簡略化・分散化、オンライン化等の検討を提案致しました。

  • 監査の簡略化・分散化
    • 例えば書類チェックなどは毎回同じものを書面で確認するのみで、現場でする必要はないのではないかと考えます。場合によっては役所に園スタッフがお持ちしたり事前に提出して、一通りチェックするなども可能ではないでしょうか。
    • 保育室に見に行くべき行政職員は、現場チェックの人間だけに絞るなどの対応を検討ください。最低でも前日にPCR検査を受けた方のみでの訪問対応を求めます。
    • 緊急でない検査項目を絞るなど、時限的な対応もご検討ください。
  • オンライン化
    • チェックする書類の大半は、すでに役所に提出しているものであったり、ICT化されているにもかかわらずわざわざ監査用にプリントするものばかりです。印鑑の確認であれば、場所は必ずしも現場である必要はありません。認可保育所における施設調査書のようなものをオンラインで確認し、疑義があったり確認したい項目だけを箇条書きにして事前に通告いただくなどの形であれば、監査自体のオンライン化・時短化も可能なのではないかと考えます。

4.指導監査における原本主義(印鑑主義)の変更を要望

印鑑主義が保育の効率化の阻害要因になっています。

現在の実態としては、印鑑主義のため、全ての領収書、手紙、書類に園長決裁確認印をつくよう指導されていますが、シャチハタ印よりも電子決裁システムの方が正確で錯誤がなく、ごまかしもききません。不正防止の観点からも、現在の「園長印がついてあればよい」という指導自体が適切なのかも問われています。

役所から発行された書類の原本を確認に来るというのも本当に必要なプロセスなのでしょうか。役所内における発行済原本の控えの確認やナンバリングによる電子的管理はできないものでしょうか。

役所の運営費なども含めすべての書類に理事長印を求められ、その印を押すために役所で全施設長が出向かなくてはいけないなどの非効率が常態化しており、保育施設運営上の本質的ではない業務が多くなっております。

昨今、印鑑の廃止も含めたペーパレス化、ICT化が著しく進んでおり、保育現場も例外ではありません。国の行政現場における印鑑主義の改善に合わせ、保育の印鑑主義の変更を要望いたしました。

5.保護者の保育申請電子化、施設の入所調整電子化を要望

マイナンバーカードや、確定申告なども電子化されている昨今において、施設運営のみならず、保護者の書類も電子的にできるものが多く、認印や窓口提出などを簡略化は可能かと思います。保護者の保育申請電子化、施設の入所調整電子化を要望致しました。

6.居宅訪問型障害児保育の公定価格引き上げを要望

居宅訪問型保育事業(障害児向け)は、障害、疾病等で保育園に通うことができない医療的ケア児を1対1で保育する精度です。

国の公定価格では、障害児を保育する場合には約4万2千円/月額が加算されていますが、これでは事業は赤字続きで運営が成り立ちません

出典:内閣府HP

なぜなら、医療的ケア児を保育するためには、専門のスタッフを採用し、たんの吸引や経管栄養等の医療的ケアができるよう、2ヶ月をかけて育成を行う必要があり、胃ろう・腸ろうなどを使用している医療的ケア児の場合は、保育士だけでなく看護師による見守りやバックアップが必要で、人手も労力もかかることから高コストにならざるを得ず、年間で3,500万程度の赤字となっています。

出典:内閣府HP 令和元年12月10日 第50回子ども子育て会議配付資料

この制度設計では、障害児に対して居宅訪問保育を提供する財務的インセンティブが働かず、事業者は一向に増えません。このままでは、医ケア児の保育の道も、医ケア児保護者の就労の道も断たれることになります。公定価格の引き上げ検討を要望致しました。

※子ども一人あたりの公定価格60,000円程度の引き上げがあれば、健全な財政のもと安定した運営が可能です。

▼(参考)子ども一人あたりの保育にかかる費用合計と赤字額

▼(参考)運営スタッフ人件費の内訳

以下の理由で、子ども一人あたりの運営スタッフを0.4人配置しています。

    • 園長がいないため、運営スタッフが保育担任の育成、保護者とのコミュニケーションや事務対応を行う
    • 生まれてすぐに数ヶ月入院が必要なお子さんがほとんどで、病院退院時から在宅での生活に切り替えるために支援を行う保健師や訪問看護ステーションの看護師、療育施設など、多くの関係者によってお子さんと家族の生活が支えられており、保育を行うにあたり関係者とのカンファレンスを行ったり、地域の保育園との交流保育の実施など、多くの対応が必要となる

詳細は内閣府ホームページをご覧ください。

子ども・子育て会議: 子ども・子育て本部 – 内閣府(リンク

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【報告】内閣府「子ども・子育て会議(第52回)」駒崎理事長による提言のご紹介

6/26に開催された内閣府「子ども・子育て会議(第52回)」における、小規模保育に関する駒崎理事長の提言をご紹介いたします。

1.シッター等、保育者の性犯罪歴チェックの仕組み導入を提案

今年度に入り、大手ベビーシッターマッチングアプリの登録シッターが性犯罪容疑で立て続けに2人も逮捕されました。1人の性犯罪者は、平均380人の被害者を生んでいるという研究もあり、被害に遭っても親にも言えず、心にトラウマを抱えてしまっている子どもたちが多く存在すると思われます。

海外では、子どもを性犯罪などから守るための仕組みが導入されています。
例えば、イギリスでは、子どもと直接関わる保育士やベビーシッターなどとして働くためには、DBS(Disclosure and Barring Service)という政府部局が発行する犯罪歴証明書が必要です。

雇用者である保育所やベビーシッター事業者は、この証明書により、性犯罪などの犯罪歴がないかチェックした上で採用することができます。ベビーシッター等の保育者による性犯罪がこれ以上繰り返されないように、「性犯罪歴照会システム」(日本版DBS)を早急に導入していただきたいと考えます。

内閣府はベビーシッター補助の対象事業者が事故等を起こした際に、是正勧告をし、是正がなかった場合に対象から除外する等のルール作りを要望いたしました。

2.所得税法第9条に定められる「非課税対象」に「保育費用」の追加を要望

 所得税法は第9条において課税がされない例外規定を設けており、学費関係や障害者給付などについて課税が免除されていますが、「保育費用」は対象外です。平成23年に成立した子ども子育て支援法などにおいて、「保育にかかる費用は非課税とする」旨の文言が入りましたが、これは内閣府の事業にのみ適用され、地方自治体が行う施策は対象外となっています。

【子ども子育て支援法】


東京都が共働き世帯を応援する施策として実施している「東京都ベビーシッター利用支援制度」では、
利用者への助成金が、その利用者の所得扱いになって課税されています。


↑東京都福祉保健局HP ベビーシッター利用支援制度の説明より

↑東京都福祉保健局HP ベビーシッター利用支援制度「令和2年度利用約款」

利用者が幅広い選択肢の中から子育てと仕事を両立するという環境を後押しするべきと考え、各自治体が工夫して創設した事業において「利用者が受けた助成に所得税がかかってしまう」という状況の是正を要望いたしました。

3.居宅訪問型保育事業に「障害児保育加算」を適用してください

居宅訪問型保育事業(障害児向け)は、障害、疾病等で集団保育が著しく困難であると認められる児童等を対象とした制度です。障害、疾病等のあるお子さんをお預かりする場合、専門のスタッフを採用し、医療的ケアの手技ができるよう育成を行う必要があります。このため、都市部(東京都豊島区、江東区、杉並区、渋谷区等)で待機児童対策として行われている居宅訪問型保育事業よりも、多くの費用がかかりますが、現状は「連携施設加算」のみでしか公定価格に差がない制度となっています。

同じ地域型の小規模保育事業には「障害児保育加算」が存在し、特別な支援が必要な利用子どもの単価に加算される仕組みが存在します。

今年度より千代田区では障害児を預かる居宅訪問型保育事業に対して「障害児等対応加算」が新設されました。同様の仕組みを居宅訪問型保育事業(障害児向け)に追加する等、公定価格の見直しを求めました。

4.アウトリーチ型の子育て支援サービスの充実に向けて、ニーズ・課題の実態調査を提案

新型コロナウイルス感染問題は、社会に大きな影響をもたらしており、特に、子どもと子育て中の人びとに様々な変化や課題が現れています。緊急事態宣言が発令され、保育の利用自粛が続く中、多くの親子が家に閉じこもらざるを得なくなりました。
その結果、児童虐待のリスクが高まり、小規模保育の現場でも、気になる子ども・保護者への声かけなど、保育ソーシャルワークの観点から取り組みを続けています。

一方、育児支援ヘルパー、養育支援ヘルパー、ひとり親支援ヘルパー、またいくつかの自治体で取り組まれている産前産後支援ヘルパーなどの訪問型支援については、緊急事態宣言が発令された期間においても、必要とされる家庭に対しヘルパーは細心の注意を払いながら対応しました。

施設型保育の利用自粛が続く中での最後の支援の砦となって、各種子育て支援ヘルパー派遣事業は継続されています。一方で対応できる事業者の少なさ、人材確保の課題は存在します。

子ども・子育て会議では、すでに子ども子育て支援計画の新たな5年をスタートする年ではありますが、今般の新型コロナウイルス感染問題を機に起こっている、子ども・子育て支援に関する課題をとらえ、より効果的な計画を策定するため、「アウトリーチ型の子育て支援に関する実態調査(利用者およびサービス提供者を対象)」の実施を提案いたしました。

5.公定価格の土曜減算の閉所に関する具体的な通知を出してください

保育所等を土曜日に閉所する場合の減算調整について、閉所日数に応じて段階的に減算する仕組みに見直されましたが、自治体により閉所の解釈にばらつきが見られる状況があります。

利用希望がないといった理由により土曜日を閉所する場合は減算となりますが、例えば利用希望があったが直前にキャンセルとなった場合も、利用者がいないという理由で減算する自治体があります。

小規模保育では、そもそもの土曜利用希望者が少なめです。例えば1人の子どもに対応するため、予め保育士2人、調理1人を配置するシフトを組みます。しかし、直前のキャンセルで利用がなくなっても開所する必要があるため、人件費が発生してしまいます。

利用者がいるかいないかに関わらず、利用希望が入ったかどうかで開所・閉所の判断をして頂く運用とする通知の発出を依頼しました。

6.公定価格加算項目のうち、「利用実績によって」加算額を算定する項目へのコロナ対応の補償を全般的とするよう要望

コロナによって登園自粛を求めたことによる影響として、公定価格加算項目のうち、「利用実績によって」加算額を算定する項目への補償が全般的にされていません。
報道や公式回答では、公定価格は満額補償されているので保育士への給与をはじめ、事業者が100%給与を保障するべきという議論がされているところではありますが、実際には減収が見込まれております。

特に、一時預かり、幼稚園型預かり保育、延長保育や病児保育、ひろば事業などの実績に基づく評価については積極的に地域の子育て支援に尽力してきた法人や、規模が小さい小規模保育所においては、少しの加算減でも、運営費上に比率を考えると影響が大きく、規模の大きな認定こども園などでも、実績値の大きな法人は金額が甚大です。

支出のほぼすべては人件費のため、100%を保障するように報道されるのであれば、やはり見込まれていた利用者数(例えば昨年度実績や定員等での酌量)に見合う補償ないし、みなし実績とする必要があると考えます。公定価格加算項目のうち、「利用実績によって」加算額を算定する項目への補償を全般的としていただけるよう依頼いたしました。

7.保育所や学童保育の職員への慰労金支給を要望

緊急事態宣言下、新型コロナウイルス感染防止のため、学校は休校措置を取りましたが、保育所や学童保育は、医療従事者や社会の機能を維持するために就業継続が必要な方々の子ども等を預かるため、開所していました。

令和2年度二次補正予算では、医療機関の医療従事者及び職員に対しては、感染リスクと厳しい環境の下で、相当程度心身に負担がかかる中、強い使命感を持って、業務に従事していることから、慰労金が支払われることになりました。

また、介護施設・事業所に勤務する職員に対しても、新型コロナウイルスの感染防止対策を講じながら介護サービスの継続に努めたことから、慰労金が支払われることになりました。

一方、保育所や学童保育の職員は、自らの感染リスクを感じながら、子どもたちに絶対に感染させないように細心の注意を払って、懸命に保育サービスを継続していたにも関わらず、慰労金が支払われないのは公平性に欠けます。

「クラスターの発生率は、他の福祉施設に比べると低く、死亡例も少なくて軽症者が多い」とのことですが、実際クラスターが発生していても子どもは無症状、軽症、もしくはみずから体調不良を訴えることができません。見た目や検温だけでは分からないこともあり、その中で保育従事者は介護従事者同等の感染リスクにさらされています。介護も保育も重症化リスクは従事者の属性次第であり、なんら変わりありません。

福岡市、大阪府摂津市には、保育従事者の感染リスクを理解いただき、独自に慰労金を支給している事例があります。一部自治体にとどまらず全国で保育所や学童保育の職員への慰労金支給を要望致しました。

8.ひろば事業などの実施方法としてオンラインでの実施も実績として計上できることについて、自治体向けQ&Aの拡充を依頼

コロナ対応により、保育や子育て支援の取り組みが多様化しています。特に、ICT技術を使ったオンライン保育や、オンライン会議の仕組みを使った子育て支援のイベント開催などが増えております。保育事業者も工夫を凝らしてソーシャルディスタンスを取りながらの子育て支援に取り組み始めていると言えるでしょう。

一方で、一部の自治体においてはオンラインでの子育て支援に対し、「ひろば事業」などの実績や企画として認めない例や、「オンラインは行政として推奨していない。公園などで2mの距離を置いて開催するなど考えるように」と指導している例なども散見されます。

我々保育現場としては、ICTを活用した取組については、コロナ感染のリスクを抑えながら人のつながりを維持することに非常に有効と考えており、むしろ推奨されることと考えています。ひろば事業などの実施方法としてオンラインでの実施も実績として計上できることについて、自治体向けQ&Aで示してもらえるよう依頼しました。

9.コロナの影響による失業者に対し、保育認定の延長を柔軟にできるように自治体への通知発出を依頼

コロナの影響によって失業者が増大を始めており、更なる深刻化も予想されています。雇用情勢は不透明なままであり、保育所等の保護者の中にも失業をはじめ大きな不安を抱えている方も増えてきました。

昨年度の、「保育新制度5年目の見直し」において、改めて求職事由による認定は90日という原則が確認されており、延長も慎重にするよう指示されています。現在の情勢を鑑み、今年度の認定に関して猶予期間を長めにとっていただくことなどの配慮を行うことを各自治体に通知していただくことを要望しました。

詳細は内閣府ホームページをご覧ください。
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【報告】全国小規模保育協議会の提言を受け、小規模保育等において、満3歳で卒園する児童の受皿となる「連携施設」確保が実質不要に!

全国小規模保育協議会の提言を受け、今年4月1日から、小規模保育事業等で保育を受ける子どもたちについて、市町村長が、卒園後に保育所などを優先的に利用できるようにするなどの措置を講じている場合は、受皿連携施設の確保が不要となりましたのでお知らせいたします。

「家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準の一部を改正する省令」(令和2年3月26日)より抜粋

<これまでの経緯>
「家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準」(平成 26 年厚生労働省令第 61 号)において、0~2歳児の保育の受皿である家庭的保育事業者等(家庭的保育事業者、小規模保育事業者、事業所内保育事業者)は、満3歳で卒園する児童の受皿となる「連携施設」(保育所、幼稚園又は認定こども園)を確保することとされていました。

一方で、平成30年4月1日時点で、卒園後の受皿となる連携施設を確保できている家庭的保育事業者等は約63%※1で、連携施設を確保しにくい実態が浮き彫りになっていました。

その後、平成31年の同基準の改正※2では、
・家庭的保育事業者等による卒園後の受皿の提供を行う連携施設の確保が著しく困難であると市町村長が認めるときは、卒園後の受皿の提供を行う連携施設の確保を不要とする
・この場合において、家庭的保育事業者等は、定員が20名以上であって、市区町村が適当と認める、①企業主導型保育施設、②地方公共団体が運営費支援等を行っている認可外保育施設を卒園後の受皿の提供に係る連携協力を行う者として適切に確保しなければならない
・平成31年度末までとされていた「連携施設の確保をしないことができる」期間(経過措置期間)を5年間延長する
こととされていました。

この状況を受けて、全国小規模保育協議会は、連携施設を用意できず小規模保育施設を作ることが叶わない状況があることや、小規模保育園卒園後の受皿機能としても十分ではないといった小規模保育等の受皿連携施設をとりまく実態を繰り返し提言してきました。

一部の自治体では、小規模保育事業者等を卒園する子どもたちについては、一般の保育所申込に先行して申込受付・利用調整(先行利用調整)を行ったり、入園の選考基準となる保育指数を高くしたりして、優先的に次の保育所に入れるようにしているので、今回の改正で、受皿連携施設の確保は実質不要になったと読み取れます。この取り組みが広がり、未整備の自治体においては早急に要綱改正が行われ、全国で受皿連携施設の確保が不要となることを願ってやみません。

※1厚生労働省「【連携状況別】家庭的保育事業等(居宅訪問型保育事業を除く)の連携施設設定数」

※2「家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準の一部を改正する省令」(平成31年厚生労働省令第49号)第6条・附則第3条

 

東京支部 東京都議会各会派巡りレポート【後編】

こんにちは。全国小規模保育協議会 東京支部広報担当の小林と申します。今回は2020年2月7日に行われた、東京支部の有志による、東京都議会各会派巡りのレポート【後編】をお届けします。

▼会派巡りレポート【前編】はこちら
http://syokibohoiku.or.jp/2020/05/18/4440/

今回提言を行った「要望書」は、協議会の活動と設立総会のワークショップにおいて、参加者全員で出し合った困り事を元に作成したものです。協議会メンバーみんなの思いを乗せて、当日は下記のスケジュールで各会派を巡りました。

①都民ファーストの会 東京都議団
②東京みらい
③東京都議会 自由民主党
④都議会 立憲民主党・民主クラブ
⑤日本共産党 東京都議会議員団
⑥都議会 生活者ネットワーク
⑦都議会 公明党

①都民ファーストの会 東京都議団
最初は、都民ファーストの会から会派巡りをスタート。副政調会長の木下ふみこ議員と、たきぐち学(がく)議員がご対応くださいました。

私自身、都議会議事堂に入るのは初めてで、また最初の会派訪問ということもあり、ピリッとした場の空気に飲まれて、話題についていくだけでも精一杯の状態でした。

小規模保育を取り巻く課題はこういうものがある、それに対してこんな要望をしたい、というあくまで「要望書」の説明と提出がメインなので、ガチガチな議論の場になるといった雰囲気はありません。その分、今回ご登場される議員様方のご対応はみなとても誠実で、熱心に耳を傾けてくださっていたことが印象的でした。

②東京みらい
次に訪れたのは、東京みらい。幹事長のおくざわ高広議員にご対応いただきました。
メンバーを代表して提言をしてくださっていた東京支部長の齋藤祐善さんとは旧知の仲のようで、お話はときに真面目に、ときに朗らかな雰囲気で対話が進みました。

③東京都議会自由民主党
続いて訪れたのは、自民党です。ご対応してくださったのは、自由民主党政務調査会の峯尾始参事でした。
要望書のプレゼンテーションが、非常に真面目な面持ちの中、ゆっくりと進んでいきます。

また対話の内容もこれまでと少し異なり、東京都ではこれは検討できそうだ、これは制度上難しそうだなど、具体的な対応の話題が多かったことが印象に残りました。

④都議会立憲民主党・民主クラブ
続いて訪れたのは、立憲民主党・民主クラブ。政務調査会の仙波拓也事務局長がご対応くださいました。
さすがに会派巡りも4か所目となると、プレゼンテーションもよりスムーズに進行していきます。そうした中で、今回一番とも思える正統派の「質疑応答」が交わされていたことが、とても印象深い対話でした。


⑤日本共産党東京都議会議員団
さて、会派巡りもいよいよ佳境。5つ目となる訪問先は、日本共産党です。ご対応くださったのは、藤田りょうこ議員と、事務局の窪田大二郎さん。

藤田議員は、ご自身も3人のお子様を持つ母であることもあってか、終始暖かくも真剣な眼差しで耳を傾けてくださいました。

⑥都議会生活者ネットワーク
こちらはご担当者の都合もあり、要望書を窓口にご提出するのみとなりました。

⑦都議会公明党
そして会派巡りの最後に訪れたのは、公明党でした。政調会長の高倉良生議員、東京都本部幹事長の小磯善彦議員がご対応くださいました。

東京支部長の齋藤祐善さんと、両議員の方々はこちらもまた旧知の仲のようで、序盤から歓待ムードの中、この日最後の熱いプレゼンテーションが始まりました。もちろん課題や要望の話に入れば、表情は真剣そのもの。深く相槌を打ちながら、憂いを分かち合うように対話が進んでいきました。

全体を振り返って、各会派のみなさまは、もれなく熱心にこちらの話に耳を傾けてくださっていたことが印象的でした。一方で、東京都の対応をその場で即答できない事情も察せられ、今回はあくまでご要望を伺うという姿勢も共通と言えます。個人的には、ここからが第一歩という実感が深まった印象でした。

お忙しい中、ご対応くださった会派の方々、議員の方々に心より感謝申し上げます。近い未来、また進展がありましたら追ってレポートをさせていただきます。

今回参加された有志メンバーのみなさまも、大変お疲れさまでした。

東京支部 東京都議会各会派巡りレポート【前編】

こんにちは。全国小規模保育協議会 東京支部広報担当の小林と申します。

今回は2020年2月7日に行われた、東京支部の有志による、東京都議会各会派巡りのレポートを全2回にわたってお届けいたします。

今回、会派巡りに集まったのは、東京支部長の齋藤祐善さん、正光寺保育園の髙橋寿光さん、つながり保育園まちだ施設長の大西正子さん、名古屋からご参加のUPBEAT International School代表・大塚早織さん、ちゃのま保育園・宮村柚衣さんの計5名。いずれも小規模保育(0-3歳未満児を対象とした、定員が6人以上19人以下の少人数で行う保育)の運営・経営を行う会員メンバーです。

協議会では、事前に行ったワークショップにおいて、参加者全員で出し合った小規模保育を取り巻く困り事を元に「要望書」を作成。その中で、小規模保育所が直面する制度的課題を、大きく分けて4つ取り上げました。

①施設長が「保育士」として働けない。
②小規模保育に適したキャリアアップ研修がない。
③保育士の宿舎借り上げ制度(家賃補助)が不安定すぎる。
④小規模保育を「東京都」が応援できる仕組みがない。

①施設長が「保育士」として働けない。
小規模保育園では、子どもの数が少ないため、保育士も少人数で運営することが基本となります。ギリギリの人数で回すには、当然シフト組みもシビアとなり、1人1人の負担や責任が大きく、保育士が事故や急病等で出勤できない事態にも対応が困難になってしまいます。

そうした中で、保育士の資格を持つ施設長が一保育士としてシフトに入れば、現場の負担は大きく減るはずなのですが、現状はそれができません。施設長が保育士として少しでも現場に入ってしまうと、管理者設置加算(保育士とは別に管理者を配置すると受けられる報酬)が適用されず、年間600万円以上の減収となってしまうためです。

こうした現状の制度を、保育士の急病時や、子どもが少ない時間帯だけでもせめて緩和してほしいというのが、①の課題に対する要望です。

②小規模保育に適したキャリアアップ研修がない。
保育士は、国の制度により創設された「キャリアアップ研修」を受けることで、処遇改善加算(保育士の賃金向上を目的とした報酬)を受給する資格が得られます。

最大4万円が支給されるこの制度は、公定価格上の賃金が低い保育士の給与底上げに大きく貢献する仕組みですが、問題はその内容です。保育士は、障害保育、食育、保護者支援、マネージメントなど、合計8つの専門分野から自分の役職に応じて研修を受けることができますが、これらは大規模保育園向けに設定された分野であり、職員の数や設備に差がある小規模保育所では、せっかく学んだ知識やノウハウが活かせないことも多いそうです。

貴重な時間を割いて研修を受けるのですから、できれば現場で実践できる学びを得たいもの。各分野、研修内容を絞り、小規模向けに特化した内容にできないかというのが、②の課題に対する要望。

③保育士の宿舎借り上げ制度(家賃補助)が不安定すぎる。
東京都では、保育士不足の解消に向けて、遠方からも志望者を呼び入れやすくするため、各市区町村とともに宿舎借り上げ制度を設定し、毎月上限82,000円を家賃の全額または一部として補助しています。

一方で、この制度は現状2021年3月までという期限が設けられてており、かつ地域によっては制度廃止の検討が毎年発せられるなど、決して安定的な制度とは言えない状況です。また、市区町村によって運用ルールにバラツキがあり、小規模保育所の保育士が除外されていたり、また別の地域では保育士以外にも適用範囲が広げられたりとまちまち。

生活の基礎となる「住居」に関するこの制度は、保育士が長期的に安心して働ける環境を守るために、もはや不可欠なもの。ついては制度の安定的な継続と、ルールや適用範囲の明確化ができないかというのが、③の課題に対する要望。

④小規模保育を「東京都」が応援できる仕組みがない。
保育士を取り巻く環境や制度の細かな設定は、基本的に市区町村がそれぞれ抱える待機児童の数や、予算、その他の地域課題に対する優先度などを考慮して行われています。よって自治体との協議の場は、形式的には開かれていると言えるかもしれません。反面、自治体を挟む形で東京都や国との協議の場は、間接的に遠くなってしまうという見方もできるのではと思います。

最後の要望は、そうした政策協議の場を、市区町村だけでなく、東京都とも積極的に設けられるようできないか、というもの。今回の会派巡りでは、これら4つの課題を整理し、それぞれに対する要望を「要望書」にまとめ、提言することがミッションでした。

【前編】では、どんな切り口で、何を提言したのかを誰もがわかりやすいように、具体的な課題と要望をまとめさせていただきました。次回【後編】では、各会派との話し合いの様子を、写真つきでレポートいたします。

次回もよろしくお願いいたします。

 

【報告】全国小規模保育協議会の提言を受け、厚生労働省が「保育所等における利用乳幼児がいない時間帯の保育士配置の考え方」を明確化しました

内閣府「子ども・子育て会議(第45回)」にて全国小規模保育協議会による提言「子どもが0人の時に保育士を2人置かないといけないルールの廃止を」を受け、令和元年12月20日に取りまとめられた「子ども・子育て支援新制度施行後5年の見直しに係る対応方針」において、『保育士等の業務負担軽減等による働き方改革については、子どもが全員帰宅した後の取扱いに関し、「市町村や保護者から連絡があった場合に備えて確実な連絡手段や体制が確保されていること」など連絡体制の確保措置を要件にしたうえで、そうした時間については保育士がいなくても可とすることを明確化すべきである』との方針が示されました。

上記を踏まえ、保育所等における利用乳幼児がいない時間帯の保育士配置の考え方について明確化する通知が厚生労働省から発出されましたのでご報告いたします。

【通知】保育所等における利用乳幼児がいない時間帯の保育士配置の考え方について(一部抜粋)


保育所等において、開所時間中に、全ての利用乳幼児が帰宅するなどにより利用乳幼児のいない時間帯が生じた場合にあっては、保育士の配置を求めないこととすることも差し支えない。ただし、この場合においても、突発的な事由により、自治体又は保護者から保育所に対して至急連絡を取る必要が生じた際に、少なくとも保育所等の開所時間内においては、随時円滑に施設管理者への連絡を取れる体制を確保すること。

本件は、東京支部に発案いただき、全国小規模保育協議会として提言を推進いたしました。
会員の皆さまの小規模保育事業所が所在する自治体において、利用乳幼児がいない時間帯においても保育士等を必置とするルールの場合、今後可能となるかどうかは通知をもって所在の自治体へ確認をお願いいたします。

「子どもが0人の時に保育士を2人置かないといけないルールの廃止を」提言内容はこちら

【報告】内閣府「子ども・子育て会議(第51回)」提言内容のご紹介

2020年2月6日

1/31に開催された内閣府「子ども・子育て会議(第51回)」における、小規模保育に関する駒崎理事長の提言をご紹介いたします。

1.保育所で子ども食堂の開催を許可する通知発出を依頼

保育所にはキッチンがあり、子どもにとって安全な環境であるため、地域の孤立しがちな親子に対して子ども食堂を行うのに適しています。

一方で、厚生労働省は現在「厚生労働省所管一般会計補助金等に係る財産処分について」(平成20年4月17日 雇児発第0417001号 厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)を根拠に、施設整備費の国庫補助を受けて建てた保育所の場合、補助目的の達成や補助対象財産の適正な使用という観点から、保育を実施するという目的のために補助金を受けて取得した財産(建物)を使って収益を得ることは不適当だという考えを示しています。

子ども食堂のような福祉的な取り組みは、実費あるいは実費以下の料金によって料理を提供するものであり、上記の通知で想定されている商業性のある用途ではありません。また、保育所は保育とともに、地域の子育て支援を担う施設であることから、子ども食堂のような福祉的な取り組みは目的外使用とは言えないと考えます。

保育所が園児のみを対象とした施設から、地域の様々な親子に寄り添い、伴走できる施設になることを願い、「子ども食堂(あるいは類似した食を通じた子育て支援・コミュニティ活動)を保育所でも行って構わない」「その際に実費を徴収することは認められる」という通知等の発出を厚労省に依頼いたしました。

2.土曜日の閉所日数に応じた減算要件に関する提言


子ども・子育て会議(第51回)配布資料1-2 令和2年度当初予算(案)及び令和元年度補正予算(案)における公定価格の対応について より抜粋

「土曜日に閉所する場所の減算調整の見直し」に関する議論について、小規模保育所では、土曜利用希望を受けた時点で保育士2名、調理1名の職員を配置し、土曜出勤の振替休日を事前に取得するケースがあります。直前のキャンセル等で保育を提供していない場合でも開所する場合があり、それに伴って人件費が発生してしまいます。

特に小規模保育事業の場合、そもそもの土曜利用希望者が少なく、事前に保育の利用希望を受け、職員を配置していたが、直前のキャンセルがあった場合に影響は甚大です。

保育を提供しているかどうかではなく、保育の利用希望の申込があり、保育を提供できる体制をとったかどうかで減算の適用判断をする運用としていただきたいと申し入れました。

3.企業主導型保育園における土曜共同保育の実施に関する通知・FAQの発出を依頼

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子ども・子育て支援新制度施行後5年の見直しに係る対応方針について(案)より抜粋

土曜日の保育園の利用園児数は平日に比べ、どの園でも少なくなっている現状があり、これは小規模保育や認可保育所のみならず、企業主導型の保育園でも起こっています。認可保育園や小規模保育園ではすでに共同保育の実施が進められており、保育園に勤務する保育士等のスタッフの働き方改革にも寄与できています。

ある自治体にて、上記の資料(※)を提示した上で、企業主導型保育園における来年度以降の土曜共同保育を実施したい旨を申し出を行ったケースにて、「他の小規模保育事業等との「土曜日の共同保育」については、企業主導型保育園として認められないという考え方で差し支えない(企業主導型同士での場合も、同様となります)」との回答があり、共同保育の実施が難しい状況があります。

企業主導型保育園は、各自治体の基準を満たしてはいませんが、どの園も国の基準を満たしている保育園です。自治体への申請がよりスムーズに進むことが想定されるため、通知やFAQの発出、児童育成協会との認識のすり合わせを依頼いたしました。

4.地域型保育事業 認可件数の公表を依頼

子ども・子育て支援新制度が施行された後、平成27年4月1日、平成28年4月1日と2カ年連続で、厚生労働省は「地域型保育事業の件数について」という調査結果を厚生労働省のホームページで公表していました。

その後、認可件数が公表されていない状況が続いているため、引き続きの調査、集計結果の公表を依頼いたしました。

詳細は内閣府ホームページをご覧ください。
子ども・子育て会議: 子ども・子育て本部 – 内閣府(リンク)
子ども・子育て会議(第51回)会議資料はこちら

【報告】全国小規模保育協議会の政策提言を受け、厚生労働省が「保育所等における要支援児童等対応推進事業」を予算化!

2019年12月26日

全国小規模保育協議会が国に政策提言を行ってきた「保育ソーシャルワーカー配置」が、令和2年度(2020年度)厚生労働省 保育関係予算概要に盛り込まれました!
※ 名称は「保育所等における要支援児童等対応推進事業」です。

保育ソーシャルワークとは?
子どもたちを取り巻く環境が大きく変化する中で、保育園でも多様な子育て問題への対応が求められています。

養育不安や子ども虐待といった親子の問題、貧困やDV、多国籍化する家庭や家族の問題、子どもと養育者の疾病や障害、 さらには保育者と保護者のコミュニケーショントラブルなど、その種類はさまざま。通常の保育では対応しきれない場合も少なくありません。

そこでフローレンスは、課題を抱える親子により専門的なアプローチをするべく、「保育ソーシャルワーク」の取り組みを始めました。通常保育園で行う保護者支援に加えて、相談支援・ソーシャルワークの視点を持って親子や家庭の課題に対応する専門スタッフ「保育ソーシャルワーカー」を設置する試みです。


保育ソーシャルワーカーをおくことで、養育困難や虐待など緊急度の高いケースはもちろん、これまで保育スタッフが「気になるけれど、どこに相談すればよいのかわからない」「大事にするほどではないかもしれない」と見守りがちにしていたケースについても、丁寧に状況を確認し対応できるようになりました。

フローレンスでの実践をもとに、全国小規模保育協議会としては「最も厳しい状況の家庭にも寄り添える小規模保育でありたい」と考え、保育ソーシャルワークの実践を全国に広げていこう、と決定。積極的な政策提言を行ってまいりました。

地域連携推進員(仮称)とは

来年度の予算案において、保育ソーシャルワーカー配置は「保育所等における要支援児童等対応推進事業」という名称で実現いたしました。

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出典データ保管先:
令和2年度(2020年度)厚生労働省 保育関係予算概要
https://www.mhlw.go.jp/content/000581431.pdf

基幹保育所に地域連携推進員(仮称)を配置し、基幹保育所内で相談支援を実施しつつ、他の保育所等への巡回支援も行っていきます。推進員は要保護児童対策協議会と連携し、保育所で見つけたケースを各関係機関と繋げ、協議していくのです。

地域連携推進員は、名前は異なれど、全国小規模保育協議会が提案してきた保育ソーシャルワーカーの役割そのものです。

この仕組みが機能することで、下流の児童相談所マターになる前の、上流の保育所の時点で親子の変化に気づき、適切に社会資源に繋いでいくことが可能になってくることが期待されます。
厚生労働省が保育所におけるソーシャルワークが可能になるスキームを作っても、自治体が手を挙げて、保育ソーシャルワーカーを配置する保育所を公募したり委託しなければ、絵に描いた餅となってしまうため、心ある地方議員や自治体職員に「うちの自治体でやらないの?」「うちの自治体でやろうよ」と声を上げていただくことが望まれます。

【報告】内閣府「子ども・子育て会議(第50回)」駒崎理事長による提言のご紹介

2019年12月13日

12/10に開催された内閣府「子ども・子育て会議(第50回)」における、小規模保育に関する駒崎理事長の提言をご紹介いたします。

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1.保育所の空きスペース活用を許可する通知の発出を提案

大半の保育所は、日曜日や土曜日夜は使われておらず、平日にも、使っていないスペースを抱える保育所は少なくありません。

アイドリングしている保育園内スペースを、地域のNPOや習い事の先生、親グループ等に貸すことができれば、保育所がコミュニティの結節点になっていく未来が描けます。

有料での貸し出しができるようになると、保育所は僅かながらでも収入を得られ、増収分を備品や施設の更新費用や、保育士の処遇にあてることが可能になります。

一方で、現在、保育所の貸し出しを行って収入を得ることは、目的外使用となり監査に引っかかってしまいます。

人口減少社会においては、施設を保育所としての利用にとどめず、時に会議室や習い事、子ども連れ誕生日会の会場としても使えるようにするなど、保育所の空きスペース活用を許可する通知の発出を提案いたしました。

詳細は内閣府ホームページをご覧ください。
子ども・子育て会議: 子ども・子育て本部 – 内閣府(リンク)
子ども・子育て会議(第50回)会議資料はこちら